ちょこっと見直した |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

◆ cinemazoo-ハンバーグ
搬出の日に京都で食べたランチ。
ハンバーグ、めちゃんこ美味しかった。
仏光寺通りの小さな洋食屋さんで。


『ちょこっと展3』が終わった翌日、
搬出のため京都へ。
搬入時と同じく、
妹一味から2名がサポートに来てくれた。
事を始める前に、
まずは腹を満たさねば、ということで、
ずっと気になっていた小さな洋食屋さんで
まずお昼ご飯。

席に着いたとき、
「まぁまぁ、おつかれさん~
 で、どうやったん個展は?」
妹一味が6日間の労をねぎらってくれた。
私は安堵感がモコリと込み上げてきて、
「なんか複雑やったわ~。
 大きな地震があったさかい、
 ずっと気が重かった」
本音をツルッと口にした。すると一味2人は
「気、重いの? 私ぜんぜん!」
「ほんまほんま、ぜんぜんやわ!」
とまぁ、あっけらかん。つられて私もこう。
「そやなぁ。いつ何がどうなるかわからん。
 私らも明日どうなることか…。
 交通事故で死ぬかもしらん。
 いつどうなってもええように、
 笑って暮らしたもん勝ちやなっ」
「そうやそうや♪」
一挙に場が賑やかに。

パクパクと昼飯を平らげていると
他のテーブルの団体さんが、
ドヤドヤと席を立ち、
店員さんが片づけをするのが見えた。
すると一味2人が私の耳元でコソっと
けれど強い口調でこう呟いた。
「信じられへん! ごはん残してる人がいるっ!」
「ほんまや! 被災地の人のこと考えなさいっ」
さっき、ぜんぜん気は重くない、
そう言ってた人たちがプンプン言ってる。
ごはん、残したらあかん、
もったいないって…そうか、そうか。

ランチの後、搬出開始。
◆ cinemazoo-展ポスター
『ちょこっと展3』のポスター。
「あいば」さんに貼ってたのを外す。


「五想庵」から出張した“しくるプレート”。
◆ cinemazoo-しくるとDM
店内で役立ってくれた、おつかれさま。
3人でかかると、片づけがはかどる。
奈良へ発送するため、梱包を終えたところで
お里返り展『ちょこっと展3』 ジ・エンド。



搬出日の翌々日のこと、
京都から送った荷が「五想庵」へ無事帰還。
この時ようやく、ほんとにようやく、
ずっと緊張していた気持ちがほどけた。
汗水流して不休で準備した、
久しぶりの京都での展だった。
始まったら底抜けに楽しんでやろうと思ってた。
それが初日に大震災。
「なぜ、今…」
底知れない悔しさが湧いたものだった。
関西に住む私ですら「なぜ」なのだから、
被災地の皆様の痛みや無念は計り知れず、
どんなお見舞いのことばも
所詮は軽口でしかないと感じられた。

ずっと、気が重いままの6日間だった。
地震、津波、そして原発。
これまでいつかは、しっかり考えなければ…
そう思っていた問題と直面した時、
まずは自分を保つことで精一杯だった。
そうして辿り着いた ありふれた想い。
それは、未来は誰にも分からない、
だから不安からは逃れられない。でも、
人は過去から学ぶ生き物だと。

「こんな非常時」に、絵描きとして
義援金に等しい具体的な行動は、
とても限られているだろう。
ただ、こう思う。私に描かせてやろうという、
ご縁のあった仕事は手を抜かず、
全力で尽くしていきたい。どんな小さな仕事でも、
それは経済なんだから。

そうして絵描きという職業人というより
ひとりの人間として、または社会人として。
これまでの暮らしを見直すこと。
当たり前、普通と思っていた生活は、
贅沢ではなかったか、と。

搬出の日のランチタイムに、
妹一味の2人が思わず口にしたことは、
誰にだってできること。
ものを祖末にしない、
ご飯をきちんと食べる。
当たり前のことなんだけど、
どうしてもおろそかになってしまう。
あと、節電。できるだけ始末して、
そのお金を義援金として使いたい。
また、原発に依存した発電から、
新エネルギーへ転進するのは必須、
こんな考え時代の主流となりますように。

電気だけじゃない。水も。
節水も心がけないと。
天からの恵みである水だって限りあるもの。
蛇口をひねれば出てくるお水を
粗末にしないよう。もちろんガスだって。

強く想うこと。便利な文明への感謝を
人はいつ忘れてしまったのか。
全ては自然がくれた奇跡で
けして人間が偉いんじゃない。
自然を敬う、感謝する。
こういうのを宗教っていうんだね。

私は宗教を持たないけれど、
$◆ cinemazoo-ブラフマ
創造の使者ブラフマ・龍・梟・水・光、
そして縁ある人へ毎朝、頭をさげる。
私だけの儀式、つまりは秘教なんでしょう。

自然を敬う気持ちがあれば、
もしかして原発というモンスターに、
早くからブレーキがかかったかも。


東京時代に比べて、
奈良での私の暮らしは
とても質素なものになった。
住まいは木造の長屋、
蛇口からお湯はでないし、
風呂なし、洗濯機なし。
銭湯とコインランドリーに通う家事は、
面倒といえば面倒だけど、
ひろーいお家に住んでいると思えば楽しい。
お天気に一喜一憂する日々だけど、
自然と共に暮らしている感は良いものだ。
他人から見れば貧乏で惨めに見えるかも。
でも、楽しい。晴れた、雨だで喜べる。
もしかすると、銭湯とコインランドリーは、
エコではないかもしれないけれど、
天候と共に在る今の暮らしが
3.11以降、とても愛しく思える。

電気が使えなくっても、
とりあえず私は餓死しないだろう。
なんて、強く出てしまえるのは、
『ちょこっと展3』の日々が後押ししてくれるから。
発表の場として催した作品展だったけれど、
震災を境に、ご足労くださった皆様と
語り合った場となった。『ちょこっと展3』は
日常を反省させてくれた非日常空間です。
あらためて感謝を。ありがとうございました。

いつの日か行う『ちょこっと展4』で
また皆様と元気でお会いできますように。


ちょこっとレポ、おわり。
長々とすみませんでした。
もうすぐ3.11から2ヶ月ですね・・・。

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『それぞれに。こころの付箋紙。』
『その時』
『3.11 sen ライブ、音楽の力』

クローバー 『ちょこっと展3』終了しました。
ありがとうございました。

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