死んだらこうして |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

$◆ cinemazoo-あかり
なら燈花会にて


急逝した義弟の父親の顔は、
まだ赤みを帯びていて、
今にもむくっと起き上がり
「なんや、みんなで集まって?」
と笑いそうだったけれど、
確かにその目は開かない。

亡くなった人を送る。
空気が重い。それでも、
うちの両親は、わりにカラッとしていて、
故人の思い出を次々に口にした後、
こう言ったのだった。
「うちらが死んだら買ぉた墓に放りこんで」

両親が買ったという墓地へ、
私が連れて行かれたのは今年のお盆のこと。
ささやかな四角い地面を指差して母は、
「破格の安さで買えたわ!」
得意げだった。

両親は お迎えがくる日のことを
こともなげに淡々と語る。
「お父さんを残して死ねへん。
 お父さんを見送ってから、
 私はまだこの世を楽しむねん」
と母。すると父は、
「そうや、後に残るのはいやや。ハハ…」
頼りなく笑う。

亡くなった義弟の父の死体を前にしても、
死の準備を明るく語っていて、
傍らで聞いていた私は、
こういう明るさって大事なんじゃないかと考える。
そうして、「死」について語れる場というのは、
なかなかないというのに、
こんなふうに笑い話のように語れるってことは、
かなり健全なんじゃないか、と思ったりした。

未婚の私が死んだらどうなるんだろう?
やっぱり、両親の墓に一緒に入るんだろうか?
仏教徒でもないし、他に宗教もないし…。
と呟いたとき、すかさず
「あんたが死んだらガーッと焼いて、
 どっかにまく、それでええんやろ?」
きっぱり言い放ったのは妹。
はい、よくお分かりで。
私が死んだら散骨希望です。
でも「どこに」というのは決めかねてる、ともらすと、
「ちゃっちゃと決めといてや!」
なむさん重要課題やん! これって至急?
ちゃっちゃと決められへんわー!!


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