ガン見の隣の猫ちゃん。
陽気のせいか最近は目を細めがち。
うちの軒下には古い椅子が置いてある。
それは「五想庵」をオープンする週末に、
看板を置くために使っているものだけど、
出し入れが面倒なので
平日も表に出しっぱなしなのです。
そんなモノグサ椅子に、なんと、
近所の人が差し入れの品を
そっと置いていってくださる。いつもすんません。
「作り過ぎたので食べてください」
「どうぞ、いただきものですが…」
はいっ。喜んで。
まるで笠地蔵のようです、感謝です。
そんな ある朝のこと。
ピンポン♪が鳴ったのでドアを開けると、
近所の女性がシチューの入ったお皿を持って立ってた。
「あの、シチューを椅子の上に置いといたんやけど、
ほら見て。たぶん猫が…」
ラップでくるまれたお皿を見ると、
何者かがポソポソと むさぼった形跡があるではないか!
「あ~隣の猫ちゃんの仕業やわぁ」と私。すると彼女、
「さっきね、椅子の上に猫がいるなぁ、
なんかしてるなぁと思ってたんやけど、
食べてたんやねぇ。どうする、このシチュー。
猫がちょっと食べたけど…」
「うーん。猫ちゃんの食べ残しかぁ。
でもまぁ、死ぬことはないやろうし、
いただいておくわ、いつもありがとう」
昼間、2階の窓をガラッと開けると、
向こう側からいつものようにこちらを見る者あり。
隣の猫ちゃんだ、でも、
ガン見ではない。目を細めてる。
シチューをつまみ食いした後ろめたさか?!
「あんた! あたしのシチュー食べたやろっ!
しかも肉っ!」
すると、ヤツ・・・
なんとも思ってないようである。
あたしゃあんたが憎らしいっ。
次の朝、軒下の椅子の上に
ヤツが「わたしの皿」から奪ったのであろう、
肉の残骸がコロンと転がってた。
見事に骨だけとなって。キィーッ!
食い物の恨みとはオトロシ~のである、
猫ちゃんと私はシチューを境に
弱肉強食の間柄になったのだ!
ちなみにシチューはうまかった!
・・・実に平和な事件である。
5*SEASONの小さな常設ギャラリー「五想庵」のご案内
近鉄奈良駅から徒歩7分 JR奈良駅から徒歩13分
玄関入り口には古い木製の椅子を置いています。
ドイツの教会で使われていたものだそうです。
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