火の雨を見て |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

◆ cinemazoo-お松明
欄干で踊るお松明。

◆ cinemazoo-火の粉
火の粉の雨。
今年で1258回目となる儀礼。

明けて15日未明、修二会満行。


平成二十一年三月十四日、十八時半、
10の火だるまが連続して二月堂の欄干にあがった。
欄下の前方で見上げていた私のすぐ上を
真っ赤に燃える“鞠”が上下に動いた。
続いて、欄干の端から端までを、
火が乱舞、紅い雨が流れて墜ちた、
悪事を全て焼いてみせましょう、と。

ほんの一時、たぶん五分ぐらいだったか、
あんな狂おしい炎を見たのは初めて。

修二会の最終日となる昨夜は、
お馴染みの御松明が一同に並びました。
御松明上堂の後、この日は“夜の行”が続くため、
時間短縮のための作法だときいております。
前回、御松明を見たときは、1本ずつの上堂で、
静かに霊的な時間だったけど、
昨夜は幕引きらしく高揚的なものでした。

「修二会」はアトラクションになってしまった、
嘆く声を地元の人から何度か聞いた。
実際、御松明が舞台から消えると、
一目散に家路へ着く人が大半だった。
でも、それでもいいんじゃないかな、と
「奈良いちねんせい」の私は思う。

10本の御松明が並んだ光景を、
私は京都から来てくれた友人夫婦と並んで見た。
その後、本堂でお参りしたとはいえ、
私たち三人もそこそこに場を去ってしまった。
ただ、夫人の方がこんなことを言ってた。
「話に聞くだけじゃ分からないね。
 何でもそうだけど、実際に見ないと」
ひとつ感じた、それでいいんじゃないかな。
だいいち、御松明が乱舞する最中に
帰宅した人なんていないだろうし。いえ、もしや、
いたかもしれないけど、そういう人がいたっていい、
そういう人ばっかりだと問題だけど、
それぞれの時、それぞれの気分。

にしても、またもや 寒っ!
吹きさらしの極寒・二月堂で一時間半、
突っ立って待ちましたがな。
流刑にさらされた罪人の気分だった、
でも、そんな荒行のおかげか、後の食事会で福来たり。

◆ cinemazoo-観衆
私が立ってた位置から写した“観衆”。
それぞれの三月十四日、午後六時半。

また来年。

「巨匠・修二会の巻」 満了


ニーッ 東大寺 二月堂 修二会 3/14まで
近鉄奈良駅から徒歩25分ぐらい、5*宅から30分ぐらい。

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