かがりが灯され
目前を神話世界の人々が列をなして過ぎて行きました。
二月堂欄干より遠目に見る井の水を汲む儀式。
ぼやけた世界は寓話のごとく。
東大寺二月堂の修二会は
呼称「お水取り」として親しまれておりますが、
そもそもの儀式があるという・・・
それは三月の十三日、
草木も凍る寒い寒い、深夜一時過ぎのことでした。
二月堂にはこの夜にだけ、
聖なる水が湧き出るという伝説の井戸があり、
「お水取り」はそれを汲む儀式でありました。
儀式は東大寺に程近い春日大社から御出でになった、
奏者さまたちの合奏で始まりました。
お寺で神職さんとは・・・どうやら、
「お水取り」は神仏習合の儀式のようです。
かがり火だけが明々と灯る夜、
ゆっくりと流れる神秘的な儀式を見て、
「『お水取り』に由来する伝説を描きたいなぁ」
そんなことを思ったのでした。
「お水取り」の後、
二月堂では「だったん」と呼ばれる行がありましたが、
あまりの寒さのため、休憩所へ逃げ込み
「二月堂うどん」を所望、
ツルツルしている間に見逃してしまいました。
おうどんはきのこがたっぷりで
とっても美味しいのでございます。
「おばちゃん、寒すぎるわぁ」
巨匠が休息所のご婦人に泣きつくと
「値打ちのある寒さでっしゃろ?」
値打ちですか、これはこれは!
今後、使える言葉だと思いました。
おしまい
ではなく「巨匠・修二会の巻」 つづく
「お水取りとお香水」のお話
東大寺 二月堂 修二会 3/14まで
近鉄奈良駅から徒歩25分ぐらい、5*宅から30分ぐらい。
以前の記事「修二会“お水取り"」
以前の記事「じきどう(食堂)」
以前の記事「夜景」
5* /Home
▲ブログトップ