![青い風船](https://stat.ameba.jp/user_images/e1/b5/10096055026_s.jpg?caw=800)
地下鉄の通路で。
小さな子が青い風船をダッコしてた。
古き懐かしきパリ。
私が生まれる前に創作されたフランス産のお伽話。
『赤い風船』。
まず、その風景の美しさに打たれ、
胸が目が頭がビクビクした。
「少年が赤い風船と仲良く過ごしました」。
ただそれだけの物語。
ただそれだけなのに、ただそれだけだからこそ、
ラストでは涙がゲリラ豪雨になってしまった。
ハッピーエンドだと感じた。でも
違うかもしれない。実はとっても皮肉な結末。
悲劇なのかもしれない。
少年はあれからどうなったのだろう?
少年が赤い風船を握りしめている健気な姿は、
生まれたての赤ん坊の小さな手と重なった。
ギュッと握られた赤ん坊の小さなグーの手。
人はその手に大切なものを握って生まれてくるが、
やがて成長し、手が開くようになったとき、
“大切なもの”を手放してしまう。
失ったものは何だったのか?
人はそれを探すために生きるのだ、こんな話を思い出した。
わずか35分の短編フィルム。
映像作家アルベール・ラモリスの詩情あふれる真心。
どうやって撮られたんだろう?
見えないワイヤーを使って? あるいは手品?
風船がまるで生きてるみたいだった。
風船が笑ったり泣いたりするなんて!
もちろんCGなんてものは、まったくない時代のこと。
「フランスの映画にね、
『赤い風船』というのがあります。
短い短い映画なんですけどね、
きれいなきれいな映画ですよ」
淀川さんが生前、絶賛されていた『赤い風船』。
先生~ようやく映画館で観ましたよ!
灰色のパリの町に赤い風船が
悲しいくらいに映えてました。
丹誠込めて、こしらえられた1本です~。
2008/8/20 シネスイッチ銀座にて鑑賞
![やぎ座](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/221.gif)
★★★★★★☆
『赤い風船』『白い馬』公式サイト
『白い馬』と併映。東京での公開は10/10まで。
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