クロッシング・ザ・ブリッジ |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー


『トルコ・チャイ』
~東西交差のお茶~




音楽が好きで、
エキゾチックなものが好きで、
ステレオタイプなトルコに憧れる。

そりゃ、イスタンブールにも行ったさ、
でもたかが観光客でしかなかったさ。
けど、惹かれるの、
「好き」としかいいようがないのさ、
飛んでイスタンブール~♪
飛んでいけるものなら、
今すぐ行ってみたいさ、イスタンブール!

イスタンブールに行ったのは
もう10年前にもなる。
とっぷり一昔前のことだけど、
あの街は私を呼んで仕方がない。
「なにが?」ときかれたら、
それは「あの街の音が」としか答えられない。

東と西の文化が交差する都市・イスタンブール。
喧噪の街・イスタンブール。
西洋の顔をした東洋の街・イスタンブール。
雑多に文明が入り交じるイスタンブール。

きっと。イスタンブールを旅したなら、
「座る椅子のない人種」はおそらく、
そこに自分に用意された椅子を見つけるだろう。
そこは、あらゆる文化と思想が行き交い、
通り過ぎる都市だから。

イスタンブールを語る時、
私は言葉とはなんと、浅はかな道具でしかないのだろうと、
呆れて、ただの「友人への手紙」しか書けなくなるのです。
観たくて観たくてたまらなかった映画を
ようやく観ました。

『クロッシング・ザ・ブリッジ』。

トルコの“今の音楽”を映像にした映画。
音楽と流浪の人生を愛する人に
お薦めしたい一編です。




★★★★★★☆  7点満点で6点
この映画に6点は・・・
映画を愛する人には眉をひそめられるかも、ね。
でーも、私はねぇ、
映像がどうどか、脚本がどうとか、もうどうでもええのよ。
貴方が“音楽”を愛する人なら、
“表現する人”が留められている、
ただそれだけに心振るわせるでしょう。

トルコ。
東西だけでなく、イスラム=孤高を抱く人、
そして“人生”に囚われている人には
ぜひとも観てほしい一本です。
ここにはアラベスクも、ラップも、ロックも、スーフィーも、
それからクルドを始めとする疎外された人々も、
座れる椅子が必ずやあるでしょう。
私も同じ。恵まれている私ですが、何故か同じ。

トルコは今、
ヨーロッパの仲間入りをしようと、
躍起になっている。このことを念頭において、
元々“音楽”に興味ある方は観てみてください。
ただし映画好きの人には薦められない、な。

日本でもこういう映画、
できればいいのにな。
我が憧れのセザン・アクスの生歌を観られただけでも感涙。
日本でいうと、彼女は美空ひばり、
世界的にいうとマドンナというところでしょうか。
ひばりちゃんより優れているのが、
セザン・アクスが後進の育成にも力を注いでいるところ。
彼女の門下生のタルカンの活躍は
セザン・アクスの指導があればこそ、でしょう。
サントラ買いましたが、すんばらしい出来栄!

この映画に関して一言で表現せよと
圧力で命ざれたなら、私はこう答えよう、
「ボスポラス海峡の赤い夕日が全てです」。


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