好色一代男 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー


好色カット巻き



「嫁はんを大事にしてたら男は幸せになれる!」

とは、ある友人のことば。

私は友人のことをカッコイイと思う。
自分の夢に向かって、
激走しているストイックな友人ではあるが、
何をおいても「嫁はん」を立て、
その上で彼は自分探究進行形。
もちろん、好色の芽はもっているのは
じゅうじゅう伝わってくるけども。
ええなぁ~。

な~んて無邪気な私は
懐の深い妻帯者に惹かれるのねん・・・
なんていうと問題かなぁ。
でもホント、嫁はん大事にしてる男性は
その人自身も幸せそうで、
未婚者からみると、安心感をもらえる。
逆に嫁はんをないがしろにしてる人は、
ほとんど魅力を感じない。
いや、不倫願望があるわけではありませんが。

つまり、雷サマの『好色一代男』は
その友人を ほうふつさせる映画で、
監督は愛する増村保造センセでありました。


★★★★☆☆☆ 7点満点で4点
女が好きや、女を泣かせたらあかん、
銭儲けよりも女がええ。
女を幸せにするため諸国漫遊、一世一代の好色男。
損得感情やら、そろばん感情に支配される男より
よっぽど清々しくてカッコイイ。
つまり筋が通る男って、サムライなんよね。

増村センセが放ったオールスター映画。
色彩を抑え、古びた絵巻物風の映像が美しい。
短い漫談のように、次々に男女の色恋を
テンポよく快調に繰り広げていく。
極端な好色男に極端にスポットを当てる、それゆえ、
銭に左右される社会の愚かな図式が浮きぼりになる。
美術が素晴らしい。ただロケは ちょっと⋯。


映画の教祖・ワッシー殿

本作を偶然TVで観てビックリしたとか。
「こんな映画初めてや、観たことない、誰が作ったんや?」
この映画がきかっけで
ワッシー殿
は好色男のごとく、増村センセにハマったそうな。
さすがは わが映画の教祖さま、お目が高い!


ワッシー殿
に遅れること何十年、
私も昨年来、増村センセのマジックの虜でんがな。
ただ、本作については、
オールスター映画が もともと好きではないので、
増村テイストに欠け、ちょっと物足りない。
オールスターって、スターの出番などに制限があるのかな、
映画に山場がなくなり、全体が平淡になる。
思うに、雷サマは関西弁が冴え渡る名演技を披露、だから
本来なら女優陣に旨さがない方がいい⋯といいつつ、
中村玉緒さんの土左衛門は よかった!

~'06年 新文芸坐にて観賞~






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