ハイジ |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

昨日までココに置いていた『足長オンジ』は
どうも気に入らないので新たに描き直しました。


『アルムオンジマン』
映画『ハイジ』に出てきたアルムおんじは
足がなが~くてカッコよく、
ああ、おじいさんは欧米人だったのだ、
と、目からウロコの私であった。
アニメのおじいさんは そうじゃなかったもん。


ヨハンナ・スピリの小説『アルプスの少女』は
確か、小学校の2年か3年の時、
学校の図書室で見つけて夢中になって読んだ。
スイスという国を知ったのも、
アルプスという大自然が海の向うの、
遠い土地に広がることを知ったのも このお話で、
私は元気で明るく夢みがちなハイジという女の子と
やさしくて厳しくて、そして
寂しがり屋の おじいさんが大好きだった。

だからもちろん、後にTV放送されたアニメ、
『アルプスの少女ハイジ』も大大大ファンだ。
放送当時、私は小学校6年になっていて、
当時は「TVマンガを見る」のは
低学年までという風潮があったから、
回りの大人たちは いい顔をしなかったけど、
そんな外野には負けずに毎週毎週、
TVの前にドキドキして座ったものだった。
何が好きって、アルプスの美しい描写。
雄大な山の色、風に たゆむモミの木の音、
時間と共に刻々と変化する雲の形、
静まり返った夜空で輝く星々、
どれもこれも 私をわくわくさせたし、
黒髪のハイジもお気に入りだった。

気に入らなかったのは、
原作にはないヨーゼフという犬や、
ピッチ-という小鳥、それに
ユキという日本人名みたいな小ヤギが
キャラクターとして加わっていたのが、
どうにもウソ臭かった。
が、いつしか それにも慣れ、
動物キャラに囲まれているのが、
“アルプスの少女”だと思いこんでいた。
それをアニメボケという(たった今 命名)。

そんなアニメボケの私の頭を
スッキリさせてくれたのが、
この夏公開された映画『ハイジ』だった。
『アルプスの少女』の実写版映画で、
とりあえず時間的な制約もあろうが、それ以上に
原作の持ち味を大切に創ってあるらしく、
動物キャラはナシ。ただし、
おじいさんの2頭のヤギは別名で登場するも、
ヨーゼフもユキもピッチ-もいない。
が、それがキャラキャラしておらず自然で、
アニメに洗脳されていた私には新鮮に映った。

あと、クライマックスの、
クララが歩けるようになるまでの課程で、
車椅子が破壊されてしまう場面があるが、
実写版では これをどう描くかに注目した。
というのも、2つのバージョンがあるからだ。

アニメでは歩行練習に疲れたクララが、
納屋にしまってあった車椅子を出そうとして失敗、
車椅子は急斜面の山道を滑り落ち こなごなになる。
一方、小説には このバージョンと もうひとつ、
クララが山へやって来たことで、
ハイジに遊んでもらえなくなったペーターが
やきもちを焼いて、ついクララの車椅子を壊してしまう、
というものがある。さて、実写版映画で
車椅子を破壊してしまうのはクララか、ペーターか⋯?

うーむ。104分という時間内に納めるには
努力と忍耐と葛藤よりも、
嫉妬の方が描き易いのだろう。
ちょっと唐突ではあったが、
やはりクララが歩くシーンには
ほんわかした優しい感動がやってくる。
最後におじいさんがハイジを抱きしめるシーンなど、
わかっているのに涙腺爆発させてしまった。


★★★★☆☆☆ 7点満点で4点
全体的に駆け足で描かれているため、
長年のハイジ・ファンである私には物足りないが
感動を大袈裟に作らないところは好感もてた。

ハイジが山の生活に溶け込む様子や
自然の中で成長する課程がゴッソリ省略されているので、
都会へ行ったハイジが山を恋しく思う気持が中途半端。
あと、かたくなな おじいさんの心が溶ける課程も、
ちょっとゆるいという感じ。

ハッとする スイスの美しい風景がなかったのが残念。
おじいさんの作るチーズや食事が
美味しそうに撮れてなかったのも残念。
私の理想の女性である、
クララのお婆さんの出番が少ないのも残念。

配役がどれもこれもピッタリだったのは素晴らしい。
特にロッテンマイヤーさんのイヤな感じはピッタンコ。

大好きな物語なので、
「私ならこうする」というアイデアと共に観た。
この映画の他にも子どもの頃に
実写版のハイジの映画を観たことがあって、
そちらの方を観てみたくなった。

恵比寿ガーデンシネマにて観賞~






●映画『ハイジ』公式サイト