囚われの身 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

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Y o u r b o t t l e

去年の秋の終りの ある日のこと、
私は代官山のアートラッシュというお店で、
1本の瓶に心奪われてしまいました。
それは Hydrix というお水が詰まった青い瓶。
その青色ときたら、深い海のように濃く、
色鮮やかで、光にかざすとキラキラと光を放ち、
ジッと見ていると人魚でも住んでいそうに
ミステリアスで⋯。
私は青い瓶にウットリと見愡れてしまい、
やがて、青い瓶をどうにかして私の手中に
作品として おさめてみたくなったのです。
青い瓶は それほどに魅力的で、
私の心をしっかりと掴んだのでした。

瓶に心を奪われたのは私だけではなく、
アートラッシュを訪れた多くのクリエーターが
その美しさに魅入り、何かを創ってみたいと思ったのです。
そうして、『ブルーボトル展』が開かれることになり、
とうぜん私も参加することになりました。

その後、さまざまなアイデアが
私の頭の中を駆け巡り、瓶に直接 絵を描こうか、
いやランプにしようか、いや雑貨がいいか、
それとも⋯。ずいぶん頭をひねりましたが、
青い瓶はひたすら涼しく青色のまんま、
私のアイデアを受け入れてくれません。
どうしよう⋯? 青い瓶は意地悪く、
簡単には人を受け入れてくれません。
まるで生きているみたい・・?! ☆
そのとき、ヒラメいたのです。
まるで青い瓶は、男を色香で惑わす悪女のようで、
男は初めて青い瓶を手にした日の、
私の姿とだぶったのです。

人魚を描こう。海の天辺に上り詰めた人魚が
船上にいた王子に一目で恋をしたように、
切なく人を惹き付けてやまない
青い瓶のイメージを絵に残そう。

こうして『人魚 your mermaid』
という絵が出来上がりました。
その後、絵の中にいる人魚が流した涙を集めたのが、
涙酒『人魚の涙』です。
       
                2006.7.5 5*SEASON

      ~企画展『ブルーボトル展』へのメッセージ~
       涙酒『人魚の涙』 一本ごとに添付


涙を流したのは人魚ではなく、
描くことに囚われた私、そして、
人生をこよなく愛おしむ貴方かも⋯。
ぬぁんちゃってっっっ!!はずかしぃー。

いやしかし、ほんまやで。
いかなる自由人も旅人も、
必ずや何ものかに囚われる。
本家『つぶずー』で私は
人間をオリに入った動物に捉え、ここでは、
詰められた瓶の内から世の中を眺める者も同等に、
強烈な人間味を覚えて慈しむ。





◆5*SEASONが参加する「ブルーボトル展」開催中!
会場/東京・代官山アートラッシュ・ギャラリー
TEL 03-3370-6786
●企画展の詳しいお知らせはこちら