アメリカン・コーヒー |  ◆ R I N G O * H A N

 ◆ R I N G O * H A N

歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

コーヒー豆

light & dark


私がコーヒーをブラックで飲み始めた頃、
カップのコーヒーはいつも、
アメリカンと呼ばれる「うすいコーヒー」だった。
けれど今は、エスプレッソは滅多に飲まないにしろ、
しっかり目のレギュラーコーヒーが好きになった。
コーヒー本来のコクや香りをじっくり味わうには、
アメリカンでは物足りない。
いつのまにか、味覚が変わったのだ。

アメリカンコーヒーは、
西部開拓時代のカウボーイが
一日に何杯もコーヒーを飲めるよう、
うすいコーヒーを煎れたのが始まりだ、
そうきいたことがあるけど、現代のアメリカでは
特別に うすいコーヒーを飲む習慣はないはずで
世界中で一番コーヒーがうすいのは、
アメリカン・コーヒーが主流だった時代のかつて日本、
それは1980年代の頃のこと。

あの頃、1950年代、60年代のアメリカが
やたらとかっこよく思えた。
ロックンロールに、ドーナッツに、ポニーテール、
フリフリのスカートにリーゼント。
ホットドッグに、チュッパチャップス、
そしてアメリカンコーヒー。
まだ学生だった私は“良きアメリカ”に
えらく憧れて憧れて、憧れて。そういえば、
映画『バック・ザ・フュ-チャー』の
タイムトラベルで 良きアメリカに行く少年を
羨望の眼差しで見守ったものだった。

しかし、あれから月日は流れ。
カウボーイたちも早々に
「うすいコーヒー」に飽きたように、
アメリカンコーヒーが日本の市場で影うすくなり、
私もやはり物足りずに飲まなくなった。
思えば近年は、コーヒーの味覚変化と同様に、
アメリカ製ライトタッチの映画や音楽にも
なんだかマンネリを感じてしまう模様。
つまり、けっこう時代と踊っているのが
私という人間なのだなぁ。