愛の嵐 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

シャーロット

Charlotte Rampling


伝説として語られている
若きシャーロット・ランプリングが
主演する『愛の嵐』を観た。

公開された'70年当時は描写が過激すぎるため、
シーンの一部がカットされた衝撃作。
という話を以前、友人からきいたけれど、
それは「あまりにも美しく傷つけ合う恋」ゆえに
聖職者たちの怒りにふれたのだろう、
映画を観ながら そんなことを思った。
幸いにも私は21世紀の東京で
『愛の嵐』を観ることができた、
だからノーカット完全版、時代に感謝。

観たのは、
くずれていく男女。
砂の城のように流れていく恋ごころ。
いいえ、憎しみかも。
ふたりはまっ逆さまに堕ちていく。
なぜ、絶望へ向かう、
なぜ死の淵に立っても、
男と女は抱き合う?

男と女が出会ったのは
ナチスのユダヤ人収容所。
男は将校、女には死しかなかった、
そんな女を、男は命と引き換えに玩具にする。
アブノーマルな関係。

時を隔て、
男と女は再会する。
男は老いたホテルマン、
女は有名指揮者の妻、立場は逆転、
やがて甦る記憶、愛と恐怖の軌跡・・・。

主演女優のシャーロット・ランプリング、
彼女の刺すよう美貌が この映画の空気をつくる。
痩せたネコのような体と、媚びない瞳。
勝ち気な唇。生まれながらのトップ、
シャーロット・ランプリングは女王。
わたしにとっても女王。

彼女は今50代、私が彼女を初めて観たのは、
5年前の主演作『まぼろし』。
顔には皺が刻まれ、目も おちくぼんでいる、
けれど、彼女は素晴らしく綺麗で、
知性に溢れてた。たまらなくファンになり、
いつか『愛の嵐』を観たいと思っていたら、
ようやく会えた、若きシャーロット。
伝説通りの麗しさに乾杯☆


★★★★★★☆ 7点満点で6点
絵画的な耽美シーンの連続。
なんといってもシャーロット!
シャーロット・ランプリング!!!!
こんな知性の塊、日本人女優にはいない。
何度でも観たい、そんな映画。




●『愛の嵐』