映画『クラッシュ』を観て思ったこと。
人間がつくる直線なもの、
たとえばビルや道路や車の進み方など
まっすぐ まっすぐなものに慣れきってしまうのは
危険だと。
ぐねぐね曲った山道を行くより、
人間が山や野を切り開いて作った
直線のアスファルト道路を行く方が
だんぜん速く目的地に着く。けれど、
まっすぐまっすぐ!
はやくはやく! と1分1秒を急ぐあまり
突発事故やアクシデントにあったなら、
大抵の場合は苛立ってしまうはず。
人間がつくる直線ラインの風景や製品に依存しすぎると、
イライラ人の増加をまねいてしまうのだ。
たとえば、ウナギみたいにニョロニョロと
曲りくねる車があったとしよう、
そいつは まっすぐ突進してくる暴走車を
瞬時にニョロリン~とよけたりなんかして、
事故をさけることができるのではないかなぁ。
曲線は遊びや無駄が多く、
速さという点で直線には まったく劣っているけれど、
そういった“無駄や遊び”が、
心を和ませるし、豊かさをくれる。
そもそも絵や本や映画などは生活必需品ではなく
生活に取り入れなくても人は生きていけるのだ、
いわば曲線でできた「うなぎカー」のように無駄なもの。
けれど直線的でないからこそ、
それらは ゆめやアイデアとなって
やんわりと あたたかい感動をくれるのだ。
たとえ時に厳しく、
辛い現実を知ることになったとしても
受け止めるだけの“支え”があれば
それでいい。