縦型のライトが、各シートについていて、
照明が落ちてしばらくは、
場内に無数の灯がボーッと点る形になり、
お盆の灯籠流しみたいに。
ひとつ、最初に。
私の頭の中には常に、
正反対の感覚をもつ“私”がいる。
色でいえば、赤と緑、
季節でいえば夏と冬、
動物でいえばイヌとネコ。
場合によっては天使と悪魔。
さて『ホテル・ルワンダ』。
公開されるや、絶賛と好評の嵐となり、
上映館がじわじわ増えております。
これからも もっと、もっと、
『ホテル・ルワンダ』の感動は
波紋のごとく広がっていくでしょう。当方も、
「劇場公開せよ!」
と迫っていた『ホテル・ルワンダ』のこと、
念願叶って劇場公開中の映画ですから、
ええ、ええ、何度でも観ます、観たいです!
同じ映画でも“箱”が変われば、
どれほど変わるか、今一度体感するためにも、
行ってきました「立川シネマシティ」。
こちら、今や隆盛の一途、
最新設備のシネコンです、がっかりするはずもなく、
当然よかったのですが⋯でも。
頭の中の“ふたりの私”が違った想いを語るのです。
タイプAの私。
ルワ会発足当時から、
ずーっと「公開運動」に賛同くださっていた
「立川シネマシティ」さん。
その場で『ホテル・ルワンダ』を観たことは、
たいへんに感慨深く、ようやく この日、
本当の意味での達成感を得た。
タイプBの私。
あの手この手、草の根レベルで地道に、
悩みながら活動の輪を広げてきたルワ会だけに、
ミニシアターは環境としては良くないけれど、
“狭いながらも楽しい わが家”的な
「シアターN渋谷」が しっくり来るようにも思う。
それに、日本初公開の1/14、
雨の中、劇場に当日整理券をとるため、
早い時間から並んだり、いざ入場となっても
整理番号順に行列したりと、
いちいち苦労が多かった反面、
その後に得た感動が大きかった。
テレビやネットがない時代には
あんなふうに映画だけが おたのしみだったことを絵空し、
贅沢になった今の世を ちょっと恨めしく思う。
ふたたびタイプAの私。
『ホテル・ルワンダ』を観賞するという意味で、
「立川シネマシティ」は最高の環境。
ここなら いつ行っても、
同じ好条件で観られる、外れはない。
映画制作スタッフの、意図した通りに
映画は再生されるだろう。
座席もネットで予約できるし。
一緒に観た“友人その壱”も満足したようだ。
友人は「シアターN渋谷」でも一緒に観たが、
前の人の頭が邪魔でキツかったらしい。
私も、同じ日に「シアターN渋谷」で観て
悪条件にムッとしたが、今となってはそれが⋯。
タイプBの私。
ドキュメンタリー風の『ホテル・ルワンダ』には
デジタル環境よりアナログ環境の方が似つかわしい⋯?
新たにタイプCの私。
『ホテル・ルワンダ』を繰り返し観ることで、
本作がアート性に とぼしい点が
個人的に浮きぼりになり、
随所で平均的演出が鼻に付く。
まったく、評論家気取りの自分が嫌だ。
ここでタイプA&Bの私。
いやいや、もっともっと観るべきだ。
銀座の「シネカノン有楽町」にも行ってみようか。
場合によってはシネコンに再チャレンジ、
「ユナイテッド・シネマとしまえん」にも行ってみるとか。
ふぅ。
たった今、この記事を書いている私の率直な考え。
「ヒマか、あたしはっ!」
最後に5*SEASONとしての優等生的発言。
シネコンとミニシアターの
両方で観てよかった。どちらが良いかではなく、
どちらが自分らしいか、ということで、
私個人は「シアターN渋谷」で
ギュウギュウ詰めになって観た公開初日が
たまらなく愛しい。
↑ 2/3に2度目に観た採点。
星が前回の6点から ひとつ減ったのは映画館のせいではなく、
上映環境が良くなったことで
BGMが過剰に響くなど、ドラマ性が強くなり、
この映画の意図であるはずの
ドキュメンタリー性が薄れてしまったが、
このセンスはアート映画を好む私の嗜好にすぎない。
★公開初日に『ホテル・ルワンダ』を観た私の感想
★『ホテル・ルワンダ』日本公式サイト
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