二度目の『ホテル・ルワンダ』 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

灯籠映画館

立川シネマシティ、シネマ・トゥーのスクリーン。
縦型のライトが、各シートについていて、
照明が落ちてしばらくは、
場内に無数の灯がボーッと点る形になり、
お盆の灯籠流しみたいに。


ひとつ、最初に。
私の頭の中には常に、
正反対の感覚をもつ“私”がいる。
色でいえば、赤と緑、
季節でいえば夏と冬、
動物でいえばイヌとネコ。
場合によっては天使と悪魔。

さて『ホテル・ルワンダ』。
公開されるや、絶賛と好評の嵐となり、
上映館がじわじわ増えております。
これからも もっと、もっと、
『ホテル・ルワンダ』の感動は
波紋のごとく広がっていくでしょう。当方も、
「劇場公開せよ!」
と迫っていた『ホテル・ルワンダ』のこと、
念願叶って劇場公開中の映画ですから、
ええ、ええ、何度でも観ます、観たいです!
同じ映画でも“箱”が変われば、
どれほど変わるか、今一度体感するためにも、
行ってきました「立川シネマシティ」。
こちら、今や隆盛の一途、
最新設備のシネコンです、がっかりするはずもなく、
当然よかったのですが⋯でも。
頭の中の“ふたりの私”が違った想いを語るのです。

タイプAの私。
ルワ会発足当時から、
ずーっと「公開運動」に賛同くださっていた
「立川シネマシティ」さん。
その場で『ホテル・ルワンダ』を観たことは、
たいへんに感慨深く、ようやく この日、
本当の意味での達成感を得た。

タイプBの私。
あの手この手、草の根レベルで地道に、
悩みながら活動の輪を広げてきたルワ会だけに、
ミニシアターは環境としては良くないけれど、
“狭いながらも楽しい わが家”的な
「シアターN渋谷」が しっくり来るようにも思う。
それに、日本初公開の1/14、
雨の中、劇場に当日整理券をとるため、
早い時間から並んだり、いざ入場となっても
整理番号順に行列したりと、
いちいち苦労が多かった反面、
その後に得た感動が大きかった。
テレビやネットがない時代には
あんなふうに映画だけが おたのしみだったことを絵空し、
贅沢になった今の世を ちょっと恨めしく思う。

ふたたびタイプAの私。
『ホテル・ルワンダ』を観賞するという意味で、
「立川シネマシティ」は最高の環境。
ここなら いつ行っても、
同じ好条件で観られる、外れはない。
映画制作スタッフの、意図した通りに
映画は再生されるだろう。
座席もネットで予約できるし。
一緒に観た“友人その壱”も満足したようだ。
友人は「シアターN渋谷」でも一緒に観たが、
前の人の頭が邪魔でキツかったらしい。
私も、同じ日に「シアターN渋谷」で観て
悪条件にムッとしたが、今となってはそれが⋯。

タイプBの私。
ドキュメンタリー風の『ホテル・ルワンダ』には
デジタル環境よりアナログ環境の方が似つかわしい⋯?

新たにタイプCの私。
『ホテル・ルワンダ』を繰り返し観ることで、
本作がアート性に とぼしい点が
個人的に浮きぼりになり、
随所で平均的演出が鼻に付く。
まったく、評論家気取りの自分が嫌だ。

ここでタイプA&Bの私。
いやいや、もっともっと観るべきだ。
銀座の「シネカノン有楽町」にも行ってみようか。
場合によってはシネコンに再チャレンジ、
「ユナイテッド・シネマとしまえん」にも行ってみるとか。

ふぅ。
たった今、この記事を書いている私の率直な考え。

「ヒマか、あたしはっ!」

最後に5*SEASONとしての優等生的発言。
シネコンとミニシアターの
両方で観てよかった。どちらが良いかではなく、
どちらが自分らしいか、ということで、
私個人は「シアターN渋谷」で
ギュウギュウ詰めになって観た公開初日が
たまらなく愛しい。


★★★★★☆☆ 7点満点で5点
↑ 2/3に2度目に観た採点。

星が前回の6点から ひとつ減ったのは映画館のせいではなく、
上映環境が良くなったことで
BGMが過剰に響くなど、ドラマ性が強くなり、
この映画の意図であるはずの
ドキュメンタリー性が薄れてしまったが、
このセンスはアート映画を好む私の嗜好にすぎない。

★公開初日に『ホテル・ルワンダ』を観た私の感想


★『ホテル・ルワンダ』日本公式サイト
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