コーラス |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

横山ノック?


タコちゃいますえ、
おフランスの名優どすえ。
この映画はハッキリいうと、
フランスの「トラさん」ですから。


『何でもツッカー』とは正反対に、
お客さんが圧倒的に若く20代の女性ばかり。
95%が女性。しかも満席。当日は豪雨だったのに、
場内は立ち見が出るほど熱気ムンムン。
「な、なんやなんや、この盛況ぶりは!」
あたしゃ目をパチクリ。金曜日の最終回で、
その映画館がレディース・デーだったことも、
映画の評判が良いことも、
映画に出てくる少年の歌声が素晴らしいことも、
フランスで大ヒットした映画なのも知ってたけど、
同じ劇場の上の階でやってた『大いなる休暇』なんて、
閑古鳥がないてたもん、なんだ この人気は?????

盛況の理由は映画が始って、しばらく後に判明。
美少年~。あたしの好きな顔ではないけど、
美しくも拗ねた少年が発する麗しい声に
勤務で疲労困ぱいの女性たちは心洗われ、
評判が評判を呼んだ、って感じかなぁ。
見た目に美しくないと、いくら声がよくても、
ここまで盛り上がらないだろう、
たとえば、カウンターテナーの○○さんだったら、
挿入曲としてはいいけど ご本人さん出演は‥‥。

物語は
戦後間もないフランスの
寄宿学校“地の底”へ赴任した
ハゲでタコのオッサン先生は、
子どもたちと音楽(コーラス)を分かち合うことで、
自らの指針と誇りを取り戻し、
子どもたちもタコ先生の教育によって、
生きる喜びを見い出していく。


えらく簡単に書いたが、めんどくさいわけではなく、
『コーラス』で描かれているテーマは
これまで繰り返し映画化されているから、
あらすじを書くのは容易なのだ。
本作は『名もなきオッサン讃歌』であると同時に
音楽讃歌でもあり、同じ日に観た同テーマの2作品
『何でもツッカー』『大いなる休暇』よりも、
強く「芸は身を助ける」をうたっている。
タコハゲ先生を演じるのは、以前に観た
『バティニョールおじさん』で肉屋を演じたオッサン。
あの肉屋のオッサンが、今度は『コーラス』で先生になって、
そこに美少年ソロとコーラス隊が加わり、
やがて人の輪ができる、そしてオッサンは女には縁がない‥‥
チャ~チャララララララ~~♪
『男はつらいよ、タコ次郎 合唱の春』って、感じ。
ふざけているのではなくて、
『男はつらいよ』を真面目にフランス風にやったら
こうなりました~ちゃんと不条理も加味してまっせ~
人気のタコさん主演・肉屋につづく第二弾!
さぁ、いらはい! いらはい!

けどなぁ、天使のように響き渡るボーイソプラノは、
確かに感動するし、素晴らしいし、
ふいをつかれたらクラッとくるだろうよ、
しかし、あたしゃ音楽を聴きたくて
この映画を観ようと思ったわけじゃなし。

このテの教科書的歌唱は時々、
ラジオやクリスマス・シーズンには聴いてるし、
あたしは少年の美声について、スペシャルな感動はなかった。
ついでに、“ヨゴレな心”でいってしまうと、
まず美少年ありきのヒット狙いという意図と、
製作者の企業人としての、
非常に したたかで逞しいものを感じてしまい、
あたしは冷ややかな視線で観てしまった。
子どもの感性が重要な映画だけに、
大人が美しい天才少年に飛びついたような‥‥。
といっても この映画は
真の教育とは何かを問いかける、誠実な作品だけど。

さらにオッサンと少年の組み合わせ、
そして芸で身を立てるとなると、
『ニューシネマ・パラダイス』を思い出されるが
しっかりジャック・ペランが出てるわ、製作者だわ、
こりゃ確実にヒットするわなぁ。
テーマが重いだけに、商売気が鼻についてしまう、
これは ヨゴレゆえか。

★★★★☆☆☆ 7点満点で4点
まるっきり さげすんだような書き方をしたけど、
作品自体は好き。ただ、拗ねた少年たちが、
音楽で目覚め、心を開いていく様子、
ここが一番知りたいところなのに、
それらを簡単なセリフで
結果として片付けているのは残念。
あと、タコ先生 主演では売れないからと、
『天才少年物語』と曲げて宣伝していたのが
実に馬鹿馬鹿しく、腹立たしい。
あたしが勝手に勘違いしていただけかもしれないけど、
それでもチラシや予告編のタコ先生の扱い方は
ちょっと失礼やないかぃ。名演なのに。

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コマ犬の相方へのお知らせ本日分

でこめし
増殖してるがな~~。
もうお腹いっぱいやわ、堪忍して~でこ~。

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