コーヒー&シガレッツ |  ◆ R I N G O * H A N

 ◆ R I N G O * H A N

歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

カップ×カップ


コーヒーカップでカチンと乾杯☆
日本では滅多にお目にかかれない風景。
カフェの会話は賭けに似てるかもしれない、
映画ではチェック柄のテーブルが何度も映され、
なかにはサイコロが転がってたテーブルも。


コーヒーとタバコ。
カフェインとニコチン。
天下の二大悪道を嗜む人は正真正銘のオコチャマ。
タバコはおしゃぶり、コーヒーは興奮剤。
これらを軸に、だらだらと時間をやり過ごし、
どーでもいい話で ユラユラゆらゆら
カップを片手に、鼻からモウモウ
口からプカプカ、機関車みたいに煙りを出して。

ジャームッシュ監督の『コーヒー&シガレッツ』は
そんな“ダメな子ちゃん”ばかりが、
脈絡希少で取り留めのない会話を
ダラダラと繰り広げる至福の“ヤニ・ムービー”。
予告を観た時点で「惚れ」だったあたしは、
禁煙して1年半になるタバコが吸いたくなった。
ま、禁煙といっても
たまに呑んだ時は吸ってるけど~ まぁええやん! って、
こういう 言い訳的シークェンスも
『コーヒー&シガレッツ』に ちゃんと出てくるわけで、
きっとヤニ中 (タバコ中毒の人) だけでなく、
カフェイン・フェチにも たまらないだろう。
先の禁煙中の話は
イギー・ポップとトム・ウェイツによるもので、
愛煙家のツボをみごとについてて、おかしい。
で、この映画もオムニバス。
最近なぜか、オムニってるなぁ、あたし。

にしても、魅せられた。ジャームッシュ監督!
“とあるカフェ”を舞台に全11話、
互いの近況なり計画なりを話のネタに、
一方の人間が そこをを立ち去るまでダラダラダラダラ、
この繰り返し。といっても、
一番最後の話だけはラストが違うけど、
いたってシンプルな11回の繰り返し、これが もうもうもう!
( 牛の鳴きまねではない )
たまらなく愛しいのです。

おそらくモノクロ写真に一度でもノメリ込んだ人なら、
チビってしまいそうな画面が続々。
どの人も表情がいい。青いモノクロームの中の、
顔、顔、顔、顔、顔。そして、
真上から見下ろしたカフェのテーブル。そこには、
“しばしの住人たち”の困惑と生き様が残され、
カメラはジーッと静かに写し取る。

彼らは必ずしも会って話す必要があるわけではない。
なのにテーブルを挟んで向き合ってる。
この体面的な妙。彼等に共通していることは、
都会暮しであることと、
不幸の どん底ではなく、基本的に幸せなこと、そして、
相手ではなく自分と対話していること。
キャッチボールにならない会話は、
タバコとコーヒーが机にあることで
どうにか間合いがとれ、バランスを保つ。
嗜好品がなかったら、沈黙????

くすくすと笑いがもれる映画館。

次々に画面に登場するのは
ジャームッシュ監督のお友達(著名な)と、
気になる著名人たち ということなので、
おもっきし趣味に傾いた“プライベート映画”。
にもかかわらず、ボテボテした暑苦しさがなく、
かなりクールに編集された かなりクールな人間像。
ジャームッシュ監督自身がクールってことか。

もともとジャームッシュ監督は あたしの好きな監督さんですが、
その中でも、この作品は特別な感じがする。
何度も何度も観てみたい。 いや、観ていたい
「DVD買うで!」って観終わらないうちから思ったし。
そういえば、開催中のカンヌでも、
新作の上映があったそうで、こちらも今から期待したい。

★★★★★★☆ 7点満点で6点
映画館では眠ってる人もチラホラ。
淡々とした映画だし仕方ない。
実はあたしも 睡眠不足のせいか 3話と4話はウトウト。

ちなみに映画館を出たあたしがタバコを吸ったかというと
バツ。でも、カフェには行ったのです、
新宿駅内にあるカフェで、ひとりでビール飲んで、
映画のパンフレットを眺めてた。シャ~ワセ~。
ぐびー。
‥‥なぜコーヒーではなかったのか、あたし。

**********************************
相方・でこへのネタ振り本日分
『銀河ヒッチハイクガイド』も気になるけどやな、
『魁!! クロマティ高校』も初夏ロードショーやで。
もちろん、レイト。
メカ沢のシルエット状のチラシを見つけたけど、
観る前からコケたような気がしたわ。
でもこれ、ファンは気にしてる映画なん‥‥?

●連れ合いがメカ沢ファンという
コマ犬の相方・でこのブログ