いぬのえいが-3 犬童監督 |  ◆ R I N G O * H A N

 ◆ R I N G O * H A N

歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

遠吠え



映画監督の犬童のおっちゃんが好きだ。
昨年は『ジョゼと虎と魚たち』に完璧にやられたあたし、
今年は『いぬのえいが』の中の“ポチのお話”に
またしてもやられてしまった。
なんやねん、このおっさん!
お名前と同じ犬印の映画だから 相乗効果かな。

おっちゃんの「いぬどう」という変な名前は、
きっと芸名だと思われるが、それにつけても、
忠実な性質の犬を堂々と 名前に あてがうだけあって、
作品自体も さすが。人の心理を忠実に描写しつつ、
底辺に ほのかに寓話性がただよう。
好っきゃわ~犬童のおっちゃん。

『いぬのえいが』では おっちゃんの作品は、
『ポチは待っていた』というシリーズが4本、
連続ではなく、そこ かしこに ちりばめられ、
それらは たぶん “おっちゃんシリーズ”において、
各話が起承転結という位置付けになっているように感じた。
おっちゃんは いつもながらに細やかな心理模様を
言葉ではなく、映像でシンシンと語りかけてくれる、
ので、あたしゃ心地よく そこに浸れた。

題名のとおり『ポチは待っていた』という連作は、
柴犬のポチが主人公で、ある人を
ポチが ずっとずっと待ちつづけるというお話で、
よくある忠犬ものではあるけど
ポチという柴犬が時代を跳び超えて、
多くの人たちに喜びを残していく。
そんなポチが生きた時代は、いったい いつなのか、
犬童のおっちゃんは詳しく説明してくれない、
背景や洋服から察するに、
ちょっと前のなつかしい時代だったり、
たった今の時代なんだけど、実は ずっと過去のような、
だからポチも実に不確かな浮遊感を漂わせ、
おっちゃんは ここでも寓話性をしかけてくれた。
だから居心地が良い、不条理や辛い現実だって、
おっちゃんはちゃんと見せるけど、
世の中捨てたもんじゃないなぁ、
そう思わせてくれる、犬童監督はすごいなー、
これからも楽しみにしてます、って、
かなり普通なことを言うしかないほど、好みのタイプ。
「おっちゃん」だなんて、
気安く呼んだりして、かなり失礼ですが、
お写真を見る限り、許されそうな‥‥。

とにかく『ポチは待っていた』を観て、
あたしは かつて共に暮らした犬のことを一番に想った。
けど、他にも拾って帰って、親に叱られた捨犬のことや、
小学校に住みついたボスという犬のこと、
運動会のとき野良犬に追い掛けられて一等になったこと
数々の犬との思い出がぐるぐると頭の中を駆け巡り、
けど、悲哀にくれるというわけでもなく、
爽やかな気持で映画館を出た。
犬童マジックかな、これも。

●「いぬのえいが」公式サイト
★★★★★☆☆ 7点満点で5点
久々に映画館で味わった「楽しかったー」という感覚。
ただし一番最初のミュージカルは やるんならもうちょっと、
創意工夫の必要有り。あと、編集も もうちょいガンバレ。
『ポチ~』では、中村獅童くんがいい。
犬童と獅童、童つながりで息もピッタリか?

犬童のおっちゃん、今年は すごい。
秋頃かな、『~~~ヒミコ』に、
あの『タッチ』が公開、どちらも楽しみ楽しみ。

********************************

相方のでこに「エロ・チューリップ」と
批難されて育ったわが家のお花さまですが、
雨中でも かわいく咲き誇っとります。
が、そろそろ散りそうな感じ。次はベゴニアが元気になるはず。

相方への伝言コーナー「でことよ~!」
明日、でこ君が好きなヒョン坊が出てる
『モッポは港だ』を今日の出来次第で、
行けたら行こうと想ってるねんけど、
これは面白いのかね? かね? かね?

●相方・でこのブログ