スウェットと口紅 | 丑三つ時の月下美人

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あてもなく呟いていきます。

歌詞を書く作業は昔から作曲の中で僕が一番抵抗のある部分だが、最近は所謂『作ってみたものの、ありきたり過ぎて見ていられない』感はこっちに置いといて進めていく、という姿勢がだいぶ板についてきたかなと思う。まだまだ締切が直前にならないとボツボツボツ…と永遠に自分へのダメ出しを続ける始末だが。そんな中でも最近は歌詞に対する美意識というか、「こういう歌詞が一番良いよね」と思える理想のようなものが見えてきた気がするからここにつらつらと書いてみる。

 

なんというか良い歌詞っていうのは結局、言葉の新鮮さと頭への溶け込みやすさを併せ持ったワードなんじゃないだろうか。ふっと浮かんで、なおかつイメージがつきやすいもの。「沢山の花」よりも「色とりどりの花」の方が綺麗、「別れを告げて」よりも「さよならをして」の方が素っ気ない、「二人の指で星を作って」よりも「お互いの指を星として」の方がロマンチック、みたいな。結局曖昧で要領を得ない例えしか出せないけども、そういう言葉や文法を拾って紡ぐ方が圧倒的に共感を得やすい歌詞になるんじゃないだろうか。きっと歌詞にとって理想的なのは「話しているような素っ気なさ、語っているような飾りっ気」の両立なんじゃないかなと推測する。

 

と、まぁ最近はこんな具合に考えている。あくまで仮説だけど、この仮説が立ったことが僕にとっては大きな前進の気もしないでもない。これを元にさらに沢山の歌詞を作って、この仮説が肯定されるなり否定されるなりすればまた一歩先に進めるんじゃないだろうかな。