暑くなってきましたね

 

いきなり夏に突入でしょうか 涙

 

 

今日は建物を建てるにあたって一番大切で、一番難しいことを書きますね。

 

 

新築でもリフォームでも一番大切で、一番難しいこと

 

それは、、、

 

 

「きちんと建てること」です。

 

 

 

 

「きちんと建てるって???どういう意味????」と

 

感じるかもしれないのですが、「きちんと」には大きく二つあります。

 

 

まずはもちろん関係法令の遵守

 

建物を建てるにあたって建築基準法には大きく二つのことが定められています。

 

 

ひとつは単体規定、もうひとつは集団規定

 

 

単体規定とは建物本体に関係する内容のことで、耐震性や断熱性など

 

建物本体の性能に関係します。

 

例えば高さに応じて柱の太さの規定があったり、

 

柱間の距離に応じて梁の大きさが決まっていたり、

 

基礎の基準があったりです。

 

 

 

集団規定とは簡単に言うと近隣に迷惑を掛けない最低限の基準のことで、

 

たとえば道路は路上駐車があっても緊急車両が通れるように

 

道路幅4m以下の場合には「セットバック」という規定があります。

 

 

「いつか建て替えやリフォームなどをするときには道路の中心から2mの範囲に

 

門や塀、建物を建てないようにしてくださいね。

 

そうすれば道路の両側の建物がそれぞれ2mずつセットバックすることで

 

道路幅が4mが確実にとれますので」

 

というものです。

 

 

また、隣地との境界に関しても北側斜線というものがあります。

 

南側に建つ建物が北の敷地境界に近づきすぎると北側の敷地の建物に

 

日が入らなくなるので規定が地域によっては定められています。

 

 

そのほかは、、、、

 

 

細かなことを除けば単体規定と集団規定以外は大きくはありません

 

 

「え?それだけ??」と感じるかもしれませんが、それだけなんです。

 

 

 

なぜかというと、、、

 

日本全国の建物で同じ条件のものは一つもないからです。

 

 

 

建ってる場所が川沿いもあれば、山沿いの斜面もあり、

 

家の形も四角からL型、コの字、

 

平屋もあれば二階建もあって、

 

しかも総二階建てなのか、ほぼ平屋で一部だけしか二階がないのか

 

 

日本中の建物の基準を個別で決めていたら

 

建築基準法は天文学的な内容になってエライことになっちゃいます。

 

建築士試験は全世界で一番難しい試験になってしまうでしょう 笑

 

 

なので、建築基準法は日本全国どこで建てるときでも基準となるように

 

必要な最低限のことしか書いてないのです。

 

服で例えると既製品の概念で

 

S,M,Lくらいの大枠での分け方・基準しかありません。

 

 

 

そんな大まかなことで大丈夫???

 

 

と思うかもしれませんが、大丈夫なんです。

 

 

 

「〇〇とする、ただし構造計算をした場合にはこの限りではない」

 

という感じで建築基準法にはほとんどの条文で「ただし書き」があります。

 

 

この構造計算が服で例えるとフルオーダー

 

その建物のためだけに計算されたもの。

 

弊社は許容応力度計算という構造計算を使って建物の安全を確認しています。

 

 

 

 

そして、きちんと建てるためのもうひとつ大切なことは「自社基準」です。

 

 

これは親方から脈々と引き継いでいた技術や「一般的にはこうする」という決まり事

 

 

建築基準法に細かな規定がないので、

 

建築の大半はこの自社基準によってクオリティが支えられています。

 

 

建築はたくさんの業種の集合体で完成します。

 

 

電気工事には電気工事業者の自社基準

 

水道工事には給排水設備工事業者の自社基準

 

etc...

 

 

もちろん、元請建築会社の自社基準が大きくは影響しますが、

 

各業者の基準はクオリティに大きく影響します。

 

 

それは作業にたっぷり時間さえ掛ければできるかといえばそうではありません。

 

 

 

私が一人前になる前のはるか昔、もうびっくりするぐらい丁寧すぎる配線をする

 

電気職人さんがいらっしゃって、

 

その方が引退されるまでのすごく短い間でしたが大変お世話になりました。

 

 

そして、その職人さんの引退後、お世話になった業者さんの若い職人さんに

 

「昔、こんなきれいな仕事をする人がいたんだよー」って施工写真を見せたら

 

「たっぷり時間をかけてやれば誰でもできます!フン!」と

 

自信満々だったのですが、、、

 

あるとき、部屋内に見える位置に配線する工事があって、

 

丁寧に施工するようにお願いしたのですが、

 

線もヨレヨレできれいではありませんでした。

 

結局、親方にバトンタッチしてやり直していただいたのですが、

 

普段からやってないことは、いくら時間をかけてもやはりできないのです。

 

 

 

それは作業手順も同じ

 

テープひとつも丁寧に巻くのと、雑に巻くのとでは、

 

たとえば匂いや虫の侵入など生活するうえで大切にしなければならないことに

 

直結しますが、普段から丁寧にやっているからこそ

 

無意識にいつもきれいに仕事ができるのです。

 

 

 

建築の仕事はその積み重ね

 

 

だから私たち元請建築業者のクオリティはおのずと業者選びともリンクします。

 

 

安く仕上げることを意識している建築業者さんには、

 

安く仕上げてくれる業者さん

 

 

丁寧な仕事を心がける建築業者さんには

 

小さなことも丁寧に仕事をする業者さんが集まります。

 

 

 

 

きちんと仕事をするって一番大切ですが、いろんなことが関係するので

 

本当に難しいんですよ。