忙しいとすぐにブログがストップします、、、すいません、、、

 

 

古民家探しのポイント、いよいよ建物本体です。

 

 

古民家探しには知識が必須です。

 

 

 

なんの知識かというと、

 

 

 

どこが改修の必要があって、どんな改修方法が必要か

 

 

集約するとこの一点になります。

 

 

 

まず前提として、古民家とする年代は昭和50年以前の建物とします。

 

 

単にクロスを張り替えて、システムキッチンやユニットバスを導入し、

 

照明などで雰囲気を出して写真を撮ると、とてもきれいに見えます。

 

 

 

でも、それはリノベーションとは言えません。単なる模様替えです。

 

 

なぜなら

 

 

 

写真からは暑さや寒さ、耐震性能などは感じることはできないからです。

 

 

 

昭和の時代の断熱材は厚さ50mmが標準です。

 

そして、茅葺屋根のような本格的な古民家になれば土壁です。

 

50mmとはいえ断熱材だし、土壁も断熱材の役目を果たします。

 

ですが、どちらも隙間だらけ、、、、

 

 

現代はというとローコスト住宅ですら断熱材の厚みは倍、

 

外壁も通気工法になっていて断熱に対する考え方が全く違います。

 

 

耐震性能についても同じくで、

 

耐震診断をすると今の最低基準を1として、

 

昭和56年以前の旧耐震建物は

 

だいたい0.2~0.3程度の結果が出る場合が多いです。

 

 

 

これらは写真ではまったくわかりません。

 

 

 

「じゃあ、柱と梁だけの裸にしてからやり直せばいいじゃん」

 

 

と、考えるかもしれませんが、そこには「予算」という大切な要素を

 

考慮する必要がありますよね。

 

 

 

予算の中で、断熱性能と耐震性能を現代の性能まで押し上げる。

 

 

 

言葉にすれば簡単ですが、それを達成するためには知識が必要不可欠なのです。

 

 

 

図面上で、どの断熱材を使って、どこを耐力壁として性能を上げるかは簡単です。

 

 

問題は「図面上のことをどうやって現場で具現化するか」です。

 

 

 

例えば土壁の上に断熱材を施工すると図面で記載することは簡単です。

 

記載さえすればいいのですから。

 

でも、実際の現場では土壁があると新設断熱材を施工するための壁厚が足りません。

 

 

 

耐力壁も同じです。

 

 

 

図面上で構造用合板や筋かいや耐震金物を施工すると記載することは簡単ですが、

 

土壁があると筋かいや耐震金物は施工できないし、

 

部屋のコーナー部分は構造用合板を柱に施工することができません。

 

 

「そんなことぐらいわかってるし、施工もできる」と、

 

ここまでは誰もが想像できることですが、問題はここからです。

 

 

 

図面(完成予想図)と現場が違うため、現場判断をする場合、

 

 

根拠のある現場判断ができるかどうか

 

 

これが最も大事です。

 

 

 

根拠は単なる経験ではありません。

 

経験という言葉は根拠があってこそ「経験」

 

根拠がなければ「単なる勘」です。

 

 

根拠は構造計算が代表的で、製造メーカーに確認することも根拠です。

 

 

 

例えば、、、、

 

 

とある耐震金物を使おうと思っているが、少し長くて金物をカットしたい。

 

 

 

耐震金物は金物本体と固定するビスのセットで性能を確認しています。

 

なので、自己判断でカットすることは本来の性能が発揮されませんし、

 

経験にはなりませんが、製造メーカーに問い合わせて、

 

カットしても性能が発揮できるか確認することが

 

できれば根拠のある施工になりますし、

 

次回からは「経験」として問い合わせすることなくカットできます。

 

 

メーカーに問い合わせすることはとても簡単なことですが、

 

この簡単なことができていないケースは往々にあります。

 

なぜならメーカーに問い合わせするべきことかどうかの知識がないからです。

 

 

 

また、構造計算も図面と同じく単なる紙の上の話ですから、

 

これをいかに現場に合わせて施工するかがとても難しいです。

 

解体してみたら予想とは大幅に違ったなんてことは

 

古民家でなくてもリフォームでは当たり前のことですが、

 

再計算するべきかどうかの判断をするためには知識が必要です。

 

 

 

つまり、購入するべき古民家かどうか判断するためには

 

今がどうであるかよりも、改装後にどうできるかが大切。

 

 

 

先日、現調した2物件

 

築年数はとてもとても古かったのですが、

 

柱がとても太く、

 

梁も大きく、

 

基礎も無筋基礎と予想できますが割れもなくとても良い状態。

 

そして、歪みも少なく、元になる構造体がものすごく健剛でした。

 

 

かたや、築年数も浅く、良物件のように見えていた物件が、

 

梁が細く、歪みも大きくて基礎もとても粗い施工でした。

 

 

 

言葉にすれば「なんだ、その程度のことか、、、誰でも想像できる」と

 

思うかもしれませんが、単に柱や梁が大きいかどうかを見ているわけではありません

 

 

構造力学は、簡単に言えば力の流れ

 

地震や台風の時に建物が受けた外力を屋根から2階、

 

2階から1階、

 

1階から基礎

 

基礎から地面へと力を逃がすルートを想像しながら見ています。

 

 

それは1級建築士をもっているからわかるわけではありません。

 

構造を意識し始めて10年以上たちますが、

 

構造計算と現場を合わせることを何度も何度も何度も経験して

 

徐々に知識がついてきました。

 

これは何物にも代えがたい私の大切な知識です。

 

 

 

古民家を探す場合には、

 

まずは古い物件の特徴を知っていること

 

そして、構造計算に明るいこと

 

そして、構造計算を現場で具現化できる知識があること

 

この三点が揃った業者さんを探すことが最も大切です。

 

 

憧れの古民家だからこそ住み始めてから後悔のないように

 

現代の性能まで押し上げて快適に古民家ライフを楽しみたいですね。

 

 

ご質問やお問い合わせはお気軽にこちらまで

 

古民家探しからお手伝いさせていただきます。