音楽的情景のディアリオ -4ページ目

音楽的情景のディアリオ

ボク、一条光一が、音楽にまつわる四方山話をつづるダイヤリー。
一日の終わり、ボクと一緒に今日という日を振り返ってみませんか。

 

≪前編から続く・・・≫

 

家を出て→➀会社行って仕事する→②同僚達と居酒屋へ!→③行きつけの小料理屋→④家に帰る。これを中間管理職のお父さん4拍子とすると、片や、出世コースからは大きく外れてしまった真面目一徹のお父さん、家族から「お父さん、たまには会社の帰りにお酒でも呑んで来たら?」なんて言われながらも、毎日が家と会社の往復だけ。家→➀会社→②家→➀会社→②家の2拍子の繰り返し。イチニッ、イチニッ。中間管理職のお父さんは、そんな真面目一徹の同期、冴内君を尻目に、なんとか課長に昇進。お小遣いにも少し余裕がでる。総務部内でもそれなりに決裁を任されるようになる。たまたま出入りの業者に便宜を図ってやった途端に、その会社の営業マンがコチョコチョと昨夜の飲み屋の領収を処理してくれたりするようになる。すると、その営業マンが接待の時、何軒目かに連れて行ってくれた小料理屋に、時折、一人で足を運ぶようになったりするようになる。杉下右京さんがフラっと立ち寄るような馴染みの店である。お父さんは、中間管理職4拍子、家を出て→➀会社で仕事→②同僚達と居酒屋→③行きつけの小料理屋→④家に帰る、この生活リズムに浸り切ってしまう。その内、休日に小料理屋「花の里」のたまきママとゴルフコンペに参加したりするようになり、お父さんは完全に舞い上がってしまうのである。たまきママとさらに昵懇になる×俺は専務に大抜擢される=たまきママと俺は、ああなって、こうなって、やがてママは専務婦人・・・クックックッ。照れちゃうな~。訳の分からない方程式が出来上がり、お父さんの頭の中で、実現する筈のない空想の未来が勝手に駆け巡るのである。もはや不憫としか言いようがないのである。教育熱心な奥さんは、そんなアホ旦那の不埒な妄想に気付くこともなく、子供の進学問題で頭がいっぱいで、旦那関連事項で気にかかるのは、旦那が運んでくるお給料の手取り額くらいである。そうこうしている内に、最近この出入り業者の営業マンがお父さんに無理難題を言ってくるようになる。十分判ってはいるのだが、所詮、中間管理職。稟議書を回さなくても決済できる金額には限度がある。止めときゃいいのに、たまきママにそんなことも愚痴ってみたりする。実は、これらがすべて営業マンの差し金であったことに気付く由もなく、お父さんは次第に前にも進めず、後ろにも下がれない、八方塞がり。逃げ場の無い、軽い鬱状態に陥ってしまう。そしてよくよく考えた末、「しばらく花の里に行くの、止めてみるかな・・・」、なんて思い始めるのである。 

 

するとお父さんの中間管理職4拍子に変化が現れる。家を出て→➀会社行って仕事する→②同僚達と居酒屋へ行く→③家に帰る。オオット! なんとお父さんは、同僚と居酒屋へ行った後、まっすぐ家に帰るようになるのである。最初の頃は、ママに会えない寂しさもあって、ふと最寄りの駅で途中下車したりしてみたが、しかし慣れてくるとこれがなかなか心地良い。出入り業者の営業マンへ領主書を渡す時の奴の人を見下すような眼差しに晒されることもない。何よりも妻に後ろめたさがない。休みの日、家族に嘘をついて、たまきママと打ちっ放しに出かけることもなくなり、娘には『そうだね~パパも4年大がいいと思うよ~』なんて、父親らしいセリフを言って、娘の教育問題に口をはさんでみたりするのである。毎日の帰宅時間は圧倒的に早まり、お金問題に気を揉むことも振り回されることもない。何よりも家庭円満の中心に自分がいるのである。家を出る→➀会社で仕事をする→②同僚と居酒屋に行く→③家に帰る。イチニッサン、イチニッサン、イチニッサン、イチニッサン・・・・・・。中間管理職のお父さんは、次第にこの3拍子の虜になる。背伸びをすることなく、身の丈の暮らしがやはり心地良い。すると心に余裕が出てきたお父さん、久しぶりに同期の中で出世から最も見放された男、冴内君を誘ってみる。仕事を終え、寄り道することなく、ただ自宅と会社とを往復する2拍子の生活を続けていた冴内さん。アホなくせにゴマ擦りだけで課長に成り上がった同期の誘いを断る訳にもいかず、嫌々付き合う。お酒が回ってきて、久しぶりに同期、腹を割って語り合ってみると、「お前なりに頑張って来たんだな。お前の気持ちを判ってやれるのは、同期の俺だけだ! さあ、呑もう!」なんてことになり、20年間の冷戦の時を一気に飛び越えて、20年来の大親友に様変わりしてしまうのである。社内で互いに歩む道は違えども、同期の絆は意外に強かったのである。家を出る→➀会社で仕事する→②同期と居酒屋に行き始める→③家に帰る。真面目一徹の冴内さん、行進曲のような単調な2拍子のリズムで自宅と会社を行き帰りしていたのに、課長と居酒屋に通い始める内に、たちまちこの3拍子の虜になってしまう。心地良いリズム、そして程良いスピード感。これがワルツなのである。これこそがワルツの魅力なのである。ん? そうなん? そうかな??? 様々な疑問を残し、お父さん達は、家を出る→➀会社で仕事する→②同僚と居酒屋に立ち寄る→③そして家に帰る。イチニッサン、イチニッサン、ワルツのリズムに身を委ね、今日もほろ酔い気分の千鳥足、イチニッサン、イチニッサン、お父さん達は家路に着くのである。『お父さんの幸せは、ワルツのリズム』、終了なのである!
 

 

前々回、前回、本当は書きたかった“ワルツ”についての考察、題して『お父さんの幸せは、ワルツのリズム』の巻。 始り始り。曲は、Beatlooseの“Revolution”です。

 

“Lucy in the sky with diamonds”は、出だしのメロディ部が三拍子。サビ部分が4拍子。“With a little help from my friends”は、頭から最後まで4拍子。実は、それを入れ替えてみたのが、前々回と前回アップしたBeatlooseの音源です。ビートルズのオリジナル曲に3拍子の曲が何曲かあります。“Lucy in the sky with diamonds”以外に、有名な曲では、“ノルウェーの森(Norwegian Wood)”が3拍子です。Woodsだと森ですが、原題はWoodなので、本当は“ノルウェー調家具”とか“ノルウェーっぽい木調の部屋”という意味のようです。歌詞的には、『女の子を引っ掛けて、その娘の部屋に行ってみたら、ノルウェー風の作りになっていて、バスルームで寝させられた挙句、朝になったら彼女は仕事に出かけていて、おいら一人ぼっち』という感じの内容です。「ラバーソウル」に収録されている曲で、3拍子のリズムとシタールの音色が独特な雰囲気を出しています。「サージェント・ペッパーズ~」の中にもう1曲、3拍子の曲があります。ポールの曲で“She’s leaving home”ですが、こちらはハープが印象的に使われていて、全体がストリングスだけの編曲になっているので、これってビートルズは演奏しているんかね? と調べてみたら、メンバーが演奏に参加していない数少ない曲の中の一曲だそうです。「White Album」“Long, Long, Long”も3拍子です。この雰囲気、たまらんですね。アコギのカポのビビり音とかワインボトルだったかグラスだったかが小刻みに響く音も効果的に使われていて、ん・・・凄い。あと、“Baby’s in black”ですが、一瞬、あれこれも3拍子? と思ってしまいますが、これは6/8拍子。カウントの取り方が2拍子系で、3拍子ではないとのことです。

 

人間は、二足歩行を始めた時から、イチニッ、イチニッと2拍子を基本に生活してきましたが、どうも2拍子ではせわしないので、その倍の4拍子をひと括りにしたリズムが生まれました。イチ、ニー、サン、シー。イチ、ニー、サン、シー。この繰り返しが、生活のリズムに合って、一番心地良かったのかも知れません。じゃ、3拍子って何よ、と言うことになりますが、一説によると、馬が走る時の蹄の音から来ているというのですが、パカッ、パカッ、パカッ。3拍子に聞こえるでしょうか。現在のドイツ・バイエルン地方、オーストリア・チロル州あたりの農村部では、古くから農耕に携わる人たちの間で、「ヴェラー」と言う、3拍子の舞踏があったと言います。実は、ポーランドでもフランスでも、起源説はあるようなので、歴史的には結構古いのでしょう。そんな中世ヨーロッパのとある国のお屋敷のサロン。ハイソな貴族の奥様は、農民達が踊るその踊りがどうも気になるご様子です。

 

『そう言えば、私、先日、農民さんらが踊ってはる踊りね、見かけましてんけど、いやいや、別に踊りたくてこんなん言うてるんやないんですけど、楽しそうやな~とは思います。思いますけど、私らハイソやから、あんな踊りね、やりません。やらないです。これは、もうハッキリ言わせてもらいます。でも確か、脚はこんな風なステップで、腕はこんな動きで踊ってはったと思います・・・え? 上手に踊りますねって? いやいや、チラっと観ただけですから。別に興味も何もありませんから。私らハイソやから。そらもうハッキリ言わして・・・そう、身分がね・・・』と上沼恵美子風の奥様は、弁解しながらも、実は自分も興味津々で、踊りたくて仕方ない。さあ、どうないしよ! 考えたのは、知り合いの有名音楽家さんに、お金に物言わせ、同じ3拍子を真似ねた“わたしら達風の上品な音楽”を作らせ、やがてモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトら名だたる大作曲家も手がけることになる『ワルツ』なる舞踏に火が付き、それをシュトラウス父子が爆発的に世に広めたということなのではないかなと思いますが、この説、かなり無理がありますね・・・・・_(._.)_     ≪・・・後編に続く≫

 

Beatlooseの“Lucy in the sky with diamonds” です。   

お聞きの通り、Aメロ、3拍子のスローな部分を、“I’m a Walrus” 風のアップテンポな感じにしちゃいました。これを聴いて渋い顔しているビートルズマニアの方。「これ、違う!」と。そのお気持ち、判らぬわけでもありませんが、こんな “Lucy in the sky with diamonds” も、楽しめるのかなぁ・・・と。もしあの時、ジョージマーティンが、「ジョン!この曲は、アップテンポな感じでやってみよう?」と言っていたら、時代は変わっていたかもしれないのです^^ もしそうだとしても、もっともっとカッコいいアレンジになっていたでしょうけど。

 

「曲に合わせて、ヴィジュアルを作ろう!」と、あれこれ試案の末、思いついたのは、せっかくなので、サージェントペッパーズ・・・のジャケットパロディだったのですが、使える資料をあれやこれや引っ張り出してきては、パブロンゴールドの大量摂取なしのナチュラルでハイな状態 (モンスター摂取くらい)の作業の結果、10日目の朝にこんなものが出来上がっておりました。埃を被った写真帳から色褪せた写真を寄せ集め、一枚一枚、ひたすらパソコンソフトで切り抜きまくり、今やこの街の「切り抜きの帝王」とまで称賛されるに至りました。

 

何かと制限される日々が、もうしばらく続きそうです。ちょっとした暇つぶしに、 “Lucy in the sky with diamonds” 、お楽しみください。