暇だったのでまたネットで映画を見てしまった。私は洋物のサスペンス調が好きなので、そのジャンルから選んだ。しかし、また変なものを見てしまった。


「ブリムストーン」

制作:フランスイギリスドイツスウェーデンオランダベルギー (2016)

監督:マルティン・コールホーベン 脚本:マルティン・コールホーベン
出演者: ダコタ・ファニング ガイ・ピアース キット・ハリントン カリス・ファン・ハウテン ポール・アンダーソン アイビー・ジョージ エミリア・ジョーンズ カーラ・ジュリウィリアム・ヒューストン ヴェラ・ヴィタリ エイドリアン・スパークス ジャック・ロス ナオミ・バトリック ティゴ・ゲルナンド


大抵の映画の見始めはいつも何が何だかわからず、見ているうちにああそういうことだったの?と思う映画が多い中で、この映画は話の筋としては珍しくw 明快でわかりやすい。でも、それもつかの間、わかりやすかったのは第1章までだったw。

どうも神父の様子が変なんです(´・ω・`)/。(またそれかw)

というか、またもやキリスト教絡み。

第2章、第3章へと進むうちに過去へと遡る形式になっていて、次第に頭が無事混乱してくる。

一言で言うと壮絶で胸糞の悪いストーリー。ぶっちゃけ言うと神父は奥さんの人権を完全否定してDVを働いて自殺に追いやった上に自分の娘(主人公)にまで性的虐待をした挙げ句、その娘の子供(孫になるのか?)にまで性的虐待をするというとんでもないやつ。

神父は主人公の父親で、厳格なキリスト教の神父と思いきやとんでもないヘンタイの怪物だった。時代背景としては西部劇時代なので、女性の参政権もない時代、女性蔑視が当たり前のような時代。考えてみると今やウーマンリブが当たり前の時代だけど、そんなに古い時代ではないころまで女性の権利すら認められていなかった時代があったんだなぁと痛感する。主人公はそういうものに対して残酷な映画というつくりながら、主人公なりに必死に闘ってきたとも言えるのかもしれない。

話の筋を追うとまた長くなるので、割愛。(そう言いつつ、まだよく整理できていないw)

最初の場面は、筏の船の上から水中に向かって銃をぶっぱなしているシーンから始まる。
何を撃っているのかというと、殺人容疑でつかまった主人公が鎖につながれたまま水に飛び込んで自殺を図ったから。おっかしいでしょう。鎖につながれたまま水中に飛び込んだら死ぬでしょう。それなのに上からさらに銃で撃つか。ひど過ぎない? 一番理解に苦しんだのがこの場面。どういうことなんだ。だれもこれを指摘しないけど、これほんとだれか説明してほしい。

 

殺人容疑といっても濡れ衣で(最終的には父親である神父は殺すけど)、娼婦館の支配人がある娼婦を訴えたもので、その娼婦の名前(支配人に逆らったために舌を抜かれてしゃべれなくなっている)に対して逮捕状が出ている。実はその娼婦もまた神父に殺されているのだけど、主人公がみずから舌を切り取ってその唖者の娼婦になり変わって、その名前で子持ちの男性の後妻についたという経緯がある。(その子持ち男性も神父に息子ともども惨殺されている。次々とよく殺すなぁ)

 

何でいきなり娼婦館かというと、父親の性的虐待から着の身着のままで逃げ出して、行き倒れ寸前のところである中国人の家族に拾われるが、この中国人がまたとんでもないやつで娼婦に叩き売られて主人公が娼婦館で働くことになる。

 

その舌を失った娼婦も主人公と同様、男社会へのある意味では反抗をこころみて舌を抜かれているので、主人公としては尊敬する同志みたいなものだから、あえて人違いだと否定せずその名前でお縄につくものの、これ以上お前らの言いなりにはならないとばかりみずから水中に飛び込んで自殺する。(そこをまた上から銃で撃つなんてひどいでしょ。全く、西部劇時代って人の命を何だと思ってるんだ)

映画の最後もこの場面に戻って終わる。それを事情がわからない主人公の娘が岸のほうから見ている。そしてその後、その娘の成長した姿がほんの一瞬見られる。これが唯一の救いだったかもしれない。

いやはや、しかし神父の追跡の執拗さと不死身っぷりにびっくり。私はてっきり第2章の舌を切られた娼婦の話の最後の場面で神父が目と喉を掻っ切られて死んだものと思っていたけど、生きてたんだ。びっくり。ばけものか?

 

第1章では目のところに傷跡のあるすごみのある神父だなぁと思っていたら、そのいきさつが第2章で語られ、第3章ではさらに時間を遡る。第4章で第1章の続きに戻る。そうするうちに神父が何か変だ、どころじゃないことがわかってくる。胸糞映画といえば「ミスト」も大概だけど、この映画も相当なもの。また見たいとは思わないものの、時間を遡るという点で若干頭は混乱したけど、話の筋としては私にも理解できるつくりにはなっている。B級映画ではないことは確かだ。