Illustratorでのルビ振りに、何か対処法はないのかと思っている人も多いことでしょう。
しかし、残念ながらIllustratorにはルビはありません。でも助けてくれるソフトはあります。
それが前回ご報告した「ルビ振りマイスター仲村友彦(兄)」です。
名前はおもしろいですが、かなり硬派なルビ振り支援ソフトなんです。
私はIllustratorルビにさんざん泣かされたクチなので、このスクリプトへの思い入れはハンパではありません。
また、実務使用を想定してかなりのカスタマイズをしてくださったPICTRIXさんへの恩義もあります。
というわけで、今回は前職場のボスへの売り込みを兼ねてレビューしてみたいと思います。^^
Illustratorでルビに興味のない方は今回の記事はとばしちゃって下さい。
Illustratorでルビを振る方法はいろいろありますが、直感的なのは「小さい文字を打って置く」ことでしょう。
しかし、親文字の上に小さい文字を置き、文字をひとつずつ入力していくという手間はとても大変です。
それが親文字からの距離や位置取りをきっちりと統一するとなればなおさらです、よね。
そこで仲村友彦(兄)を使えば、ルビの作成、位置どり調整、読みの入力(入力することもあり)からは開放されることになります。そんなうまい話があるかって? あるんですよ。
さっそくやってみましょう。まず、パラルビ。
必要な文字を反転して(兄)を起動、ルビ文字を選ぶだけです。



続いて総ルビ
フレームかテキストオブジェクトを選択して(兄)を起動、またもやルビ文字を連続して選んでいくだけです。

設定パネルから読みや項目を選択していくだけで、親文字のセンターにセンター揃えでルビは振られます。
振られたルビは新たに作られたルビレイヤーに置かれ、段落スタイルが適用されています。
これなら後からルビだけ選択するのも簡単ですし、書体を変えるような場合わざわざ細かいルビたちを選択せずともスタイル設定から一括して制御することもできます。
ルビレイヤー以外をロックしてしまえば、選択も簡単。

あらかじめ仕事ごとのスタイルを設定しておけば、プルダウンからそれを選ぶだけ。


その上で白抜きなどのバリエーションが発生したら、指定の設定をいじればいいのです。

仲村友彦(兄)は依存型のプラグインのようにそのマシンでしか認識しないという類のものではなく、あくまでも「Illustratorのデータを作成する補助」をしてくれるスクリプトです。
パネルを見ながら作業をするだけで、Illustratorのデータが生成され、付けたルビは仲村友彦(兄)の無いマシンで開いても問題なく編集できます。
そして素晴らしいのはリアルタイムでプレビューしてくれること。
文字の位置や色などをGUI上で見ながら直感的に制御できるのです。


見た目でGO!
前進の仲村友彦先生からバグフィックスもされていて、仕事で使うための機能がかなり強化されています。
さて、実務ではどのような場面に使うのか?
例えば既にIllustratorでレイアウトが組まれたものにルビをふる場合。
InDesignへの組み替えは大変だし、ファイルも増えちゃうし、いいことありません。
組み替えがもとで事故なんか起こしたら目も当てられません。
ケースバイケースですが、組まれたものは出来る限り手を加えずに加工するのが無難でしょう。
また、Illustratorでマンガなどを作成している場合なども効果的です。
セリフの文字などはすぐに作れるけど、ルビを振るとなると結構面倒ですよね。

そして、基本はInDesignで組んでいるので必要ないという方もいるでしょう
しかし、総ルビの書籍はIllustratorで作成された図中の文字もだいたい総ルビです。
ぱっと開いてちゃっとルビ付けてさっと更新すれば終わってしまう仕事も、慣れないIllustratorルビのために時間を大幅にロスすることもあるのではないでしょうか。

ないと不便、備えて安心のルビ支援ソフト「ルビ振りマイスター仲村友彦(兄)」は3月15日までは限定特価です。お早めに。
ルビと直接関係ないけど、これ使っていると漢字の勉強にもなりますよ。
そして、恐怖の修正時。文字のトルツメやら字詰め変更やら移動やら。
仲村友彦(兄)で付けたルビなら…それはまた今度にしましょう。
というわけで、た~さん、稟議書上げて下さいね。^^