自撮り棒って知ってるか?
棒にカメラを引っ付けて手元のスイッチで写真を撮ることが出来るナイスアイテム。
実演界ではベガス味岡氏がトルミーという自撮り棒をガンガン売っている。
$$$$$$$$$$$$$
京都に来ている。
仕事の出番は午後からで仲良くなったクライアントさんが空き時間に観光地を案内してくれた。
平日の京都は外国人観光客が多い。
特に驚いたのがかなりの高確率で自撮り棒で写真を撮っている。
さらに、抜き身の刀のように歩く時も撮りやすい塩梅に自撮り棒を伸ばしたまま歩いているのだ。
銀色の棒を片手に闊歩する様はさながら、幕末の志士達の様である。
$$$$$$$$$$$$
清水の舞台から飛び降りる気で……
という言葉があるように、山上の歴史あるテラスは絶景ポイント。
多くの自撮り棒サムライたちはシャッターを切りまくっていた。
ボケっと遠くを見ていると
『オゥっ!ワッツハップン!』
『ヘイ!ラーメンサンプン!』
と怒号が聞こえる。
どうやら、自撮り棒同士が当たってしまい、トラブルになっているようだ!
ドンドンエスカレートし、自撮り棒刀の鍔迫り合いが始まる。
すると、鍔迫り合いでぶっ飛んだ自撮り侍が別の自撮り侍に当たる!
『ヘイ!ワッツワッフルっ!』
『ワッフルはベルギーワッフル!』
清水の舞台はさながら池田屋事件の様に狭い範囲での自撮り棒の斬り合いになった……
5人ほど強かに打ち据えられた自撮り侍が清水の舞台から落っこちて事態は収拾し、ビビったナックルは清水寺を後に、鎮魂の意を込めて伏見稲荷大社に向かう……
$$$$$$$$$$$$$
決して楽ではないこの鳥居を歩いていると足に何かが引っかかった……
ハッ!
伸縮出来るジョイントに棒状の銀の筒……
コレはっ!
自撮り棒だっ!
さらに進むと怒号が耳に無遠慮に入ってくる
『イナリ!キザミ!ウドン!』
『イナリ!サオ!タマー!』
山頂に近づくに連れて自撮り侍の戦いが目に付き、下山すると、へし折られた自撮り棒が千本鳥居と同じ数だけ転がっていた。
これが世に言う鳥羽伏見の戦いである………
なんちって。