日本にいる実演販売士は日本語を使う。
使うのは日本語なので同じ日本人に卓を打てば購買意欲に火がつくはずだ!
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愛媛は初めての土地だ。
四国は相性いいぜ!
と意気揚々と乗り込んだが……
うぅぅ15時過ぎの店内、静か……。
ハッキリ言って、アウェーで散々勝ってきたんだ!
少なけりゃそれなりに、ビシッと陣絞めるだけよ!
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『愛媛の人は家族愛溢れる人が多いですよ』
『自分の事よりも他人の事で動く人が多いですね。』
『とにかく、シャイで目立つ事を嫌う人が多いです』
愛媛人に聞いた県民性はこの三つが主だった。
『さぁ、お客様!後から来る人のために善意ある前進を一歩ニ歩!どーぞどーぞ!』
シーン……
まさかの座り込む大人まで現れたっ!
おい!
情報と違うじゃねぇか!
全然他人のために動かねぇぞっ!
『もう、この音が聞こえるのはキッズだけ!聞こえたら手を上げるのよ!行くわよ~』
しーん……
はっ!
子供しか聞こえない音に子供しか反応しない!
普通、子供褒めるだろっ!
家族愛に溢れてるんじゃなかったのかっ!
『じゃ、ビンゴです!ビンゴした人はビンゴ!と教えてくださいね!』
しーん……
うぉ!
三つの情報っ!
正確だったのはシャイと言うこの一点!
しかも!筋金入りのシャイだ!
シャイシャイだ!
ナックルは頭にきた。
『おお!どんだけシャイなんだこの県民性!』
『子供が座るの見た事あるけど、大人まで座り込むのは初めてですよ!』
『ビンゴ!言うのはが恥ずかしいなら練習します!ビンゴ!言ってみて!おれの後に復唱してみて!』
啖呵売ではなく怒り売である。
すると、先程より陣がしっかりしだす。
何なんだ、愛媛人、つかめねぇ。
実演販売士は日本語を使う。
卓は日本語で構成されており、言葉の通じる人に卓を打って響かねぇのなら、その卓はまだ完成してない卓と言わざるを得ない。
色んなトコで商売をして、何県はどうだ、この県民はこうだ、あの県はこれがウケる。
それを完全に掴んで平均値を出し何処でも使い分けする事をマスターしたら、オレは日本国を掴む卓を打てるようになる。
今回の愛媛ラウンド、正直、あまりにシャイな県民性に翻弄されているが、もう、掴んだぞ!
明日、屈辱的な気分になった今日をひっくり返してやる!
今日できなかった事が
明日できる事になる。
どうだ、スゲーだろ!?
もちろん、出来る。
何故なら、ナックルはスペシャルだからである!