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【民法 抵当権】
・Aは、その所有する甲土地についてBのために抵当権を設定し、その旨の登記がされた後、Cに対し、抵当権の実行としての競売手続を妨害する目的で甲土地を賃貸した。この場合において、Cの占有により甲土地の交換価値の実現が妨げられてBの優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があり、Aにおいて抵当権に対する侵害が生じないように甲土地を適切に維持管理することが期待できないときは、Bは、Cに対し、抵当権に基づく妨害排除請求権を行使して、直接自己への甲土地の明渡しを求めることができる。
☆シンキングタイム☆
チ、
チ、
チ、
チ、
チ、
チ、
チ、
チ、
チ、
チ、
正解は、〇(正しい)です。
本問の場合、抵当権者Bは、Cに対し、抵当権に基づく妨害排除請求権を行使して、直接自己への甲土地の明渡しを求めることができます。
さぁ、今回は、抵当権に基づく妨害排除請求がテーマ。
「この不動産の抵当権者は私だ!! お前なんかキライだ~ 出てけ~
」
と当然に言えるかどうかが論点。
これは、抵当権の性質上、基本的には言えません。
抵当権者は、原則として占有者に対して明渡しを請求することができないということ。
なぜなら、抵当権は、使用収益できる権利ではないから。
あくまで、その「不動産を競売に出したらいくら回収できるか」というのを把握※し、何かあったときの担保として設定するのが抵当権です。
※これを、「交換価値の把握」といいます。
かといって、「ここはオレが使って好き勝手してやる」と、不法占有者などが登場した場合に何もできないのもどうかと思いますよね。
妨害するために、わざとまともでない賃借人と契約するなどといったことも…(昔は占有屋などと呼ばれていました)。
本来であれば、抵当権設定者がちゃんと不動産を管理していれば、わざわざ抵当権者が首を突っ込む必要はないのですが、設定者自身もやる気がない状態だと考えてください(笑)
設定者:「この不動産ボクのだけど、どうせ借金も返済できないし、どうでもいいよ~」
といった具合です。
そうなると、抵当不動産をしっちゃかめっちゃかにされてしまう危険性も💦
いざオークションに出しても、値がつかなくなってしまう可能性があります
それは抵当権者にとっては困る!!
そこで、一定の場合には、抵当権者自身が、「抵当権に基づいて妨害排除請求ができる」としています。
さらに、抵当権者は、「直接自己への甲土地の明渡し」もあわせて請求可能です。
【参考:一定の場合】
・競売手続の進行が害され、適正な価値よりも売却価額が下落するおそれがあるなど、抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ、抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるとき。
問題として出題された場合には、そこまで難しい内容とはなりませんが、抵当権の本質を知る上では、良い題材です。
覚えておきましょう
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