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1 フォロー講義
行政法は、知識優位型の典型科目ですから、問題を沢山解いて知識を拡散させるのではなく、
知識を集約化していくことが大切です。
問題は、どのように知識を集約化していくかです。
資格試験の勉強の場合、当然のごとく、本試験で問題が解けること、かつ、合格点を取ること
が「目的」となります。
したがって、本試験では問われないような知識をいくらインプットしても、「目的」を達成すること
はできません。
行政法択一式で、高得点が取れない最大の理由です。
講義の中で、行政書士試験の「過去問」を検討しながら、出題の「ツボ」をお話ししているのは、
まさに、このためです。
アウトプット(過去問)
↓
出題の「ツボ」の抽出
↓
インプット(サクハシ)
したがって、櫻井・橋本「行政法」を前から順に、ただ読んでいく勉強法ほど、効率の悪い勉強
はないのではないかと思います。
このように、本試験で合格点をとるために、集約化しておくべき知識の見極め(メリハリ付け)を
するためのツールが過去問です。
もっとも、最近の行政書士試験は、 行政書士試験の過去問では出題されていないようなところ
も数多く出題されていますから、「分析」の対象を過去問以外にも広げる必要があります。
特に、行政法については、過去問では出題されていない、最新判例が数多く出題されています
から、櫻井・橋本「行政法」で、最新判例を確認するのが効果的です。
基本書フレームワーク講座では、
どのようなテーマから、
どのような内容の問題が、
どのような視点から出題されるのかについて、
出題の「ツボ」を伝授しています。
このように、過去問は、 出題の「ツボ」を抽出していくためのツールですから、一度、出題の「ツ
ボ」が抽出できれば、もう過去問を「解く」意味はほとんどありません。
出題の「ツボ」が抽出できれば、あとは、直前期に、この出題の「ツボ」を記憶していけばいい訳
です。
そのためのツールが、つぶやき確認テスト行政法です。
受講生の皆さんは、行政法において、二肢まで絞れたのに症候群にかからないためにも、是非、
知識の集約化と定着化を意識した復習をしてほしいと思います。
2 復習のポイント
① 行政上の義務履行確保(1)
まずは、パワーポイント(第13章行政上の義務履行確保②)で、行政上の強制手段の全体構造
を、各レベルの相違点を中心に知識を整理しておいてください。
行政法(総論)は、 講学上の概念中心の科目ですので、細かい「葉」の部分から学習すると何を
やっているのかわからなくなり、たいていの場合、迷子になってしまいます。
受講生の皆さんは、
行政法の復習をする際には、必ず、パワーポイントのツリーや櫻井・橋本「行政法」の目次で全
体構造を確認しながら、細かい「葉」の部分の復習を行ってみてください。
森から木、木から枝、枝から葉へ
行政法が苦手な方は、一問一答式で、葉から葉、葉から葉、葉から葉へというような勉強をして
いる方が多いのではないかと思います。
パワーポイントのツリー図は、タイトルだけ残してすべて空欄にして、中身がきちんと埋まるかど
うか、是非、復習の段階で試してみてください。
次に、行政法p167、総整理ノートp62で、司法的執行について、宝塚市パチンコ条例事件の判例
を、「財産権の主体」と「行政権の主体」に着目しながら、もう一度、読んでおいてください。
この宝塚市パチンコ条例事件の判例を素材にした問題は、単に判例の結論だけ記憶していて
も得点することが出来なかった問題です。
憲法と同様に、行政法においても、判例のサビと結論だけを記憶するのではなく、判例のロジッ
クや理由付けもきちんと理解しておくことが必要です。
講義中にもお話した宝塚市パチンコ条例事件(最判平14.7.9)は、とても興味深い判例ですの
で、「事案」と「顛末」を少し詳細にコメントしておきます。
憲法学読本の宍戸先生曰く、この判例は、3バカ判例の1つと云われているそうです。
(1) 事案
宝塚市は、パチンコ店の建設計画に対する地域住民の反対運動を契機に、昭和58年に、本件
条例を制定。 本件条例には、パチンコ店を建設する者は、①市長の同意を要し(3条)、②市内
では商業地域以外は、市長は同意をしないとし(4条)、③同意なく建築を進めようとする業者に
対しては、建設等の中止などの措置を命ずる制度(8条)が置かれていた。
パチンコ業者Ⅹは、市長の同意なく建設工事の続行したため、宝塚市は、Ⅹに対して、条例8
条に基づいて、建築工事の中止命令を発したが、本件条例には、業者が中止命令に応じない
とき、刑事罰を含めてこれに対する制裁措置は何ら規定されていなかった。
そこで、宝塚市は、Ⅹに対して、建築工事の続行禁止を求める仮処分を申し立て、申立てを認
容する決定を得たのち、建築工事の続行禁止を求める民事訴訟(司法的執行)を提起
神戸地裁(第1審)・大阪高裁(第2審)は、本件条例は、風営法・都市計画法・建築基準法が許
容しない規制を定めていると理由で、本件条例を無効とし、宝塚市の請求を「棄却」 これに対し
て、最高裁は、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の
履行を求める訴訟は、「法律上の争訟」に当たらないとして、訴えを「却下」
本件事案には、
①行政上の義務の民事執行(司法的救済)の可否
②法律と条例との関係(上乗せ条例・横出し条例)
③法律上の争訟(司法権)の意義 という、 憲法と行政法とに関連する点が問題となってきます
ので、皆さんになりに、今までの学習の復習も兼ねてよくフォローしておいてください。
(2) 顛末
神戸地裁が、宝塚市によるパチンコ店の建設工事禁止の仮処分で、営業ができず損失を受け
たとする業者Ⅹの訴えを受けて、同市に対して、3億2500万円の支払いを命令。
この点については、2007年2月、最高裁は、宝塚市の上告を棄却したため、同市に3億4800万
円の支払いを命じた大阪高裁判決が確定し、同市は利子分を合わせて約4億8700万円を支払
うことに。
宝塚市が、約4億8700万円も支払わなければならなかったのも、そもそも、本件条例に、義務
違反に対する措置が何ら規定されていなかったことが原因です。
最後に、パワーポイント(第13章行政上の義務履行確保③)を参考に、行政代執行のプロセスを、
条文のポイントを押さえながら、もう一度確認しておいてください。
条文は、ただ素読するのではなく、手続のプロセス、5W1Hとキーワードを意識しながら、戦略
的に読み込みを行ってみてください。
② 行政上の義務履行確保(2)
まずは、パワーポイント(第13章行政上の義務履行確保⑤)で、直接強制と即時強制の相違点
について、もう一度、知識を整理しておいてください。
本試験では、「直接強制」と「即時強制」との相違点を問う問題が、手を変え、品を変え出題され
ていますので、出題の「ツボ」と押さえておいてください。
次に、行政法p183以下、総整理ノートp69以下で、即時強制について、直接強制との比較の視
点から、知識を整理しておいてください。
最後に、パワーポイント(第13章行政上の義務履行確保②)、総整理ノートp71の図表で、行政
刑罰と秩序罰の相違点について、両者の比較の視点から知識を整理しておいてください。
行政法は、制度と制度の比較を問う、いわゆる図表問題が多く出題されていますので、総整理
ノートの比較の図表を上手に使ってみてください。
ちなみに、平成28年度の記述式は、この図表から出題されていますので、きちんと記憶していた
方にとっては、ボーナス問題であったかもしれません・・・
③ 行政契約
まずは、行政法p123で、法律による行政の原理から、行政契約という作用を理解してみてくださ
い。
行政契約については、 公害防止協定に関する最新判例が出ているので、要注意テーマである
と話していましたが、その予想通りに出題されています。
行政法は、 試験委員が最新判例に刺激を受けて、問題を作ってくる科目ですので、最新判例が
出ているテーマは要注意です。
講義中に、お話している予想判例については、多肢選択式対策として、もう一度、総整理ノート
の該当箇所を確認しておいてください。
次に、講義中に整理した水道法シリーズについて、総整理ノートの余白部分にメモを入れた上で、
水道法に関連する知識を整理しておいてください。
本試験では、水道法シリーズについてはよく問われていますので、土地収用法シリーズとともに、
要注意です。
もっとも、この水道法シリーズも、平成28年度の本試験で、大問で出題されましたので、出題の
「ツボ」をパターン化しておくことの効果が現れています。
ズバリ的中!
次回、パワーポイント(第9章行政契約⑤)で、行政契約の争い方について、訴訟類型を意識し
ながら知識を整理していきます。
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