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1 フォロー講義
試験に合格するためには、 3つの「力」が必要になってきます。
①読解力
②集約力
③定着力
知識を「集約化」する際に重要となるのは、そのテーマの「住所」がすぐにわかるよ
うに、知識を「グルーピング」して、「インデックス」を付けていくことです。
①グルーピング
↓
②抽象化
↓
③構造化
講義やゼミの中でも、皆さんに、「このテーマの「住所」はどこですか?」とよく質
問をするのではないかと思います。
全体の中で当該テーマの位置づけがわかっていると、「住所」がきちんと出てき
ますので、こういう方は、知識が上手に「集約化」されているといえます。
森から木、木から枝、枝から葉へ
こういう知識が上手に「集約化」されている方は、本試験においても、必要な知識
を迅速・的確に取り出すことができるはずです。
11月の本試験まで、あと4か月あまりですが、7月ぐらいからは、知識の集約化、
知識の定着化(記憶)に重点を置いた復習を進めてほしいと思います。
特に、憲法は、数多くの判例が登場しますから、必ずその判例の「住所」を、基礎
のカードで確認しながら、判例を上手に整理してみてください。
憲法学読本の見出しや項目は、判例をグルーピングしていく際にも、かなり使える
ツールではないかと思います。
2 復習のポイント
①集会・結社の自由・学問の自由
まずは、憲法学読本p156以下で(1)集団行進の自由と(2)公共施設による集会
の利用拒否の項目ごとに、プログレカードで判例を整理してみてください。
平成17年度の本試験でも出題された泉佐野市民会館事件は、合憲限定解釈の
「視点」から再度出題される可能性もありますので、判例のグルーピングをきち
んと行ってみてください。
ちなみに、昨年多肢選択式で出題されたパブリックフォーラム論は、最近の憲法
学でよく論じられている、規制・給付二分論という「視点」(憲法学読本p153以下)
からの出題です。
このように、憲法は、
他の科目に比べて、試験委員の関心テーマからの出題が多くなっていますので、
講義でお話ししている出題の「視点」は、出題予想の観点からも、要注意ではない
でしょうか。
次に、憲法学読本p161以下と問題25を照らし合わせながら、学問の自由につい
て、知識を整理しておいてください。
②経済的自由(1)
まずは、憲法学読本p167以下・パワーポイント014で、「消極・夜警国家」から「積
極・社会国家」への転換の流れを、もう一度理解しておいてください。
「国家からの自由」と「国家による自由」の比較の「視点」は、この後の行政法・一
般知識でも重要な「視点」となってきます。
次に、憲法学読本p168・プログレカード125・126で、薬局距離制限事件について、
もう一度、①保護範囲→②制約→③正当化のフレームワークに沿って読み直し
てみてください。
講義の中でもお話したように、判例は、規制が消極目的か積極目的かという目的
のみで、審査基準の厳格度を決定している訳ではありません。
したがって、現在では、学説の定式化してきた規制目的二分論という「フレームワ
ーク」自体、判例が採用しているかは、かなりあやしいものとなっています。
規制目的二分論ドグマ?
この辺りは、試験委員でもある石川先生が色々な所で書かれていますので、行
政書士試験では、かつての規制目的二分論が、ダイレクトに聞かれる可能性は
少ないと思います。
現在では、 判例が、薬局距離制限事件で厳格な合理性の基準によって、旧薬事
法186条の規定を違憲としたのは、事前規制(制約)である「許可制」のためである
と解されています。
したがって、受講生の皆さんは、
OHCで図解した、①保護範囲→②制約→③正当化のフレームワークの「視点」か
ら、薬局距離制限事件の判例をもう一度理解しておいてください。
ここでも、三段階審査の二段階目の「制約」の態様(事前制約)が問題となってい
ますので、前回お話しした猿払事件と比較しながら、判例を理解してみてください。
平成12年度の旧記述式の問題で、試験委員の石川先生が、薬局距離制限事件
の判旨の「許可制」部分を引用しているのも、なんとなくわかる気がします。
最後に、憲法学読本p172以下・プログレカードで、薬局距離制限事件以外の判例
について、判例のロジックを「アタマ」に入れておいてください。
職業選択の自由については、平成21年度に直球で出題されていますので、もし、
今年出題されるとしても、少し形式の違う出題になるのではないかと思います。
③経済的自由(2)
まずは、憲法学読本p178以下、プログレカード137・138で、森林法事件について、
もう一度、①保護範囲→②制約→③正当化のフレームワークに沿って読み直し
てみてください。
森林法事件は、規制目的が「積極目的」のような認定を行いつつ、「消極目的」に
関する薬事法判決を引用して、厳格な合理性の基準により「違憲」と判断してい
ます。
学説が、職業選択の自由において定型化した「規制目的二分論」との関係では
説明が難しく、学界に衝撃を与えた判例です。
しかし、安念教授が述べられているように、
森林法判決は、旧薬事法186の規定が、近代市民社会における原則的な所有形
態である単独所有への回帰を妨げる制度であるがゆえに、憲法に反するとしたも
のです。
以下は、プログレカードに引用していませんが、違憲判決を導いた核心部分です。
『このように、共有物分割請求権は、各共有者に近代市民社会における原則的
所有形態である単独所有への移行を可能ならしめ、右のような公益的目的をも
果たすものとして発展した権利であり、共有の本質的属性として、持分権の処分
の自由とともに、民法において認められるに至つたものである。
したがつて、当該共有物がその性質上分割することのできないものでない限り、
分割請求権を共有者に否定することは、憲法上、財産権の制限に該当し、かかる
制限を設ける立法は、憲法二九条二項にいう公共の福祉に適合することを要する
ものと解すべきところ、共有森林はその性質上分割することのできないものに該
当しないから、共有森林につき持分価額二分の一以下の共有者に分割請求権を
否定している森林法一八六条は、公共の福祉に適合するものといえないときは、
違憲の規定として、その効力を有しないものというべきである。』
このように、森林法判決は、財産権規制判例の中でも、特殊なものと位置付けら
れており、その証拠に、現在では、最高裁は、森林法判決を先例として引用して
おりません。
この点については、次回、プログレカード141の判例を紹介しながら、詳しくお話し
していきます。
このように、判例をドクマに陥ることなく素直に読んでみると、安念先生曰く、今ま
での憲法訴訟論は何だったのかと、愚痴を云いたくもなります。
なお、財産権については、平成12年以降、大問&直球での出題がありませんの
で、そろそろ、森林法判決を素材にした問題には要注意です。
その意味でも、もう一度、森林法判決のロジックを理解しておいてください。
次に、憲法学読本p185、プログレカード139・140で、「正当な補償」の意味につい
て、知識を整理しておいてください。
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