
【千曲錦】千曲錦酒造
鑑評会出品同格酒 原酒
一升瓶
純米大吟醸
醸造年度:2011年
購入価格:5250円

この千曲錦、開栓直後は正直なところパッとしないものでした。酒米が美山錦ではこんなものか、と軽い落胆を覚えつつ、しかし天ぷらを味わうには悪くない選択だよなー、などと出品酒にあるまじきフォローしながら飲み進める羽目に。。。
しかし気がつけば、今回唯一の一升瓶でありながら、最初に空になったのもこれでした。
凄い酒ばかりが美味い酒ではないと言うことを実証した格好です。
特にうちのメンバーは「意地汚い」|ことが無いため、「高い酒を飲まなきゃ損」みたいなことがほとんど無く、余計にそのあたりが正直に反映されます。
ポイントはやはりその料理を活かすニュートラルさ。飲んでスッと腑に落ちる。良く考えてみればなかなかそういうものって貴重なのに、ついつい個性が強いものを「凄い」と言ってもてはやしがち。まあ、酒に限らないですけど。
これもしばらくしてから価格を公開。
やはり
「エッ、5000円?!いつもの価格帯の10000円じゃないの?」
と言う意見が占めました。
それでは、私の感想を。
〈香り〉
新酒に準ずる若い酒(2011年出品酒、2012年12月出荷)にも関わらず、期待するほどの華やかさは感じられない。しかし嫌なヒネ香や濁りは(当然とは言え)一切無し。香りが突出して主張しないのは、この酒の特徴に照らし合わせれば、むしろ計算されてのことかもしれない。
〈含み〉
とにかく舌や口腔を刺激しないのは、よく考えてみるとこれはこれで凄いことか。それでいて、味が薄いとか無いとかと言うのではなく、確かに日本酒らしい味わいに満ちているが、どれがどう強く感じるというのがなくて、こういうインプレ泣かせな酒なのかも。
〈喉越し〉
日本酒らしいコクがあるのにさらりとした喉越しがまた特徴と言えば特徴だが、今回同時に開けた仙禽ほどクリアな訳でもなく、やはり際立ったものとは言いにくい。
こうしてそれぞれの項目について個別に評価していくと、この酒ならではの特徴が浮き彫りになる。
すなわち、
出しゃばらない。
鼻につかない。
飲み疲れない。
実は主張し過ぎる酒は、食事と合わせようとした時には大変扱いづらい。
その点、この千曲錦は様々な料理に合わせることが可能で、しかもどのシチュエーションでも料理の評価を貶めることが無いだろう。そして、ふと気付くのである。今食べながら飲んでいるこの酒は何だろう、と。
(続く!)