早いもので「おぉーい。」の千穐楽から二週間が経ちました。
公演関係者から発熱などの体調不良者は出ず、とりあえずは一安心といったところです。
一安心・・・いえ、そうではありませんね。本当の意味での一安心はもっともっと先になりそうです。この不安といつまで戦っていかなければならないのか、考えただけで目の前が真っ暗になります。オリンピックに、パラリンピックに、フジロックに・・・そして自分の公演に。私もこういう世界に身を置いているので、様々な意見を目にします。個人が気軽に発信できる時代ですので、そこらじゅうで、それはもう人の数だけ意見があるわけです。それはちょっとわからないな、というものから、納得のいくものや、感心するものまで。今この瞬間も縦横無尽に飛び交っています。
どうするのがいいんでしょうね。いつまで経っても正解が分かりません。というのも、たぶんですけど、その時その時によって解が変動しているんだと思います。だから今日はこれが正しいと思っていても、明日は違うことだってあるわけです。ですからその瞬間を、自分自身の大切なものを守りながら、おもいやりを持って生きていくしかないのかもしれません。
さ、タイトルから随分と離れた内容になってしまいました・・・書いて消して書いて消してを繰り返していたので随分と時間がかかってしまいました。書きはじめたのは日曜日なんですけどね・・・さて、ここからがあとがきです。
「おぉーい。」はそれはもう色々な感想を頂きまして。ありがたい限りです。私は(自分の作品以外を演出するときは別ですが)ノックノックスではフォーカスをきっちり合わせないようにしているので(俳優と作品のフォーカスがばちっと合ったノックノックスは、きっとめちゃくちゃ説教くさいはずです・・・。)、ファンタジー過ぎない「おぉーい。」は、私の中でそういう部分がかなり自分好みに仕上がりました。
なんのこっちゃよくわからないですよね。雑に言うと「それって嘘じゃーん!」を「まぁまぁそういうことにしましょう」で進めていくのが私の好みです。こうすけは子供が学芸会で演じているような(大人がつくったような)子供だったり、だいごろう字読めるの?とか、おはなさん動けるじゃん!とか、そういう精度がこのくらいのがちょうどいいのです、ノックノックスは。(それこそ話は逸れますが、人魚姫でベネットさんがエマの家にマリーナを探しに来るシーンなんかも似ています。ワカメじゃないじゃん!見えてるじゃん!なんて。)ちなみに・・・一応だいごろうはオオカミ学校を卒業しているので、人間の文字は読める・・・ということになっています。成績はそこまでよくはなかったと思いますけどね。
この作品、大筋ではこうすけの成長記なのですが、実はだいごろうの成長記でもあります。だいごろうは・・・まぁ皆さまお分かりだと思いますが、いいお父さんじゃないんですよね。ダメなお父さんです。それがこうすけと関わることで、少しだけお父さんとしての自覚が芽生える、といった成長が描かれています。
おはなさんは、それこそ私たちの感覚とはひとまわりふたまわり違う場所にいるので、人間からすると耐えられないようなことでも、何とか耐えている・・・耐えるしかない・・・状態で生きていて、もしかしたら我慢の話もこうすけに合わせているだけなのかもしれませんね。おはなさんの台詞で個人的にとても好きなものがあって、だいごろうと二人きりになったシーンで「よく食べなかったわね、こうすけくん。」これがおはなさんってキャラクターをとても印象付けていると思います。私は。
そうそう。今回は私が劇伴をしていたので、外からの目がもう一人分必要でした。しげおとしても出演している藤谷みきさんがその役割を担ってくださったのですが、ほんっとうに助かりましたし、死ぬほど心強かったです。私の感覚を瞬時に理解してくれるので説明が必要ありませんし、ドラマトゥルクとして、私自身が気がついていなかったような事柄もたくさん指摘して頂きました。「おぉーい。」は彼女の活躍なしには存在し得ない作品でした。感謝しています。
他にも書きたいこと、載せたいお写真が山ほどあるのですが、この後・・・一応DVDとフォトブックの発売が控えておりますので・・・ひとまずはこのあたりで。(柵山さんのお話もしたいので、もう一回くらいあとがきは書こうと思っています。)スチール写真は全て確認し終わりましたが、フォトブックに載せるためには300分の1くらいに絞らなくてはなりません。いいお写真が多いのでとても辛い作業なのですが・・・頑張ります!!
「おぉーい。」公演DVDとフォトブックのご予約は「ノックノックスのお店」より承ります。是非ともご予約頂ければと思います。宜しくお願い致します。
それではまたお会いしましょう。ノックノックス、ヤストミフルタでした。
撮影:勝見里奈






