コンコンコン、ノックです。
昨日、ゆっさんはちょっと焦っていた。
風邪によるの鼻閉感で耳に空気が詰まったようになって、音が遠ざかったから。
鼻道の貫通術を受ける15歳までが、このような感じだったと言っていた。
鼻が抜けたときは、
耳へと入ってきたクリアな音の響きに、驚き。
食べながら、飲みながら、話しながら、息ができることを便利に思い。
何よりも、歌を歌うことができることに感動した。
風邪で鼻が詰まったのは、昨日が初めてではないだろう。
なのに、その世界に帰ってゆくのではないかと不安に駆られ。
眠る時間を惜しむように、巻くような冬の風の音を聞いていた。
ベッドの上に置いた大きなバランスボールを抱えるようにして、もたれて眠ってしまったゆっさん。
大丈夫だよ。
遅ればせながら覚えた、雨の音も風の音も、声も歌も音楽も。
覚えている限り、全部、ゆっさんのものなのだから。