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介護事業所経営実践録

株式会社カノン代表取締役・樽本典篤のブログです。埼玉県朝霞市に拠点を構える訪問介護事業所の管理職を兼任しています。介護事業所を運営していく中で思ったことや、当事業所のサービスをご紹介していきます。

平成25年4月27日 FIFA~福祉イノベーション・フロム・秋田~主催『Go To There プロジェクト in 久喜:実践者フォローアップ講座』
講演『私たちの福祉事情~リアルタイムな実践報告(認知症高齢者)~』より抜粋


現在の日本では、核家族化や情報・流通の拡大が進み、従来の「一つ屋根の下で、子が親を看る」という家族介護のスタイルに限界がきています。

特に、在宅介護を困難にさせている大きな要因として、経済状況が挙げられます。在宅介護にかかる費用は、訪問介護サービスや医療費、おむつ代等の諸費用を合わせると、平均で約6万9千円程度かかるという試算が出ています。勿論、介護度が上がればかかる費用も増加しますし、介護をする家族の就業に対する影響も避けられません。
長引く不況からの脱却も筋道が見えない状態で、経済的理由によって在宅生活を諦めざるを得ない…もしくは、本当に必要なサービスを受けることができない「介護難民」が増加しているのも事実です。


このように、大変厳しい状況下に置かれている在宅介護の世界で、志を高く持ち、その職責を全うしようと奮闘してくれているヘルパーですが、そこには大きな2つのジレンマが存在しています。

そのひとつが「ヘルパーに対する一般認識と職務のジレンマ」です。

残念ながら、いまだ世間ではヘルパーは「家政婦」と同等に扱われている状況にあるということは否めません。

ヘルパーの職務というのは多岐に渡ります。排泄物の処理から、家事の代行まで…ライフサイクルのすべてを在宅介護の専門家としてみていく必要があります。

ではなぜ、「家政婦」と同様に扱われてしまうのでしょうか。
それは、ヘルパーという職務の専門性を表現することが困難である、ということが挙げられます。
それには、ヘルパーひとりひとりの心掛けも重要なのですが、残念なことに、エプロンをつけたまま自転車に乗って訪問先から訪問先へ移動しているようなヘルパーの姿を見かけることも多々あります。

また、髪を茶色く染めていたり…アクセサリーを着けていたり…まるで赤ん坊を諭すかのような話し方で高齢者と接していたり…自分たちのサービス対象者を、「社会的弱者」と勘違いしている介護職員をよく見かけます。
そのような人たちに限って、「密室の行為」である訪問介護サービスではなんとかこなしていても、一歩社内に戻れば、コミュニケーション能力が欠落していることが多いのです。

まず自分たちの職務について正当な評価をしてもらうためには、介護職に携わる人たちの意識から変えていかなくてはいけません。
介護保険という狭い規範の中で評価を得るのではなく、一般的な社会規範に基づいて、自らの職務を遂行していくことで、世間からの見方もおのずと変わってくるはずです。