頑張ってさらった曲で
コンクールの一次が通ったのは嬉しかったものの
二次の曲がその場で発表される。
一人一人課題曲が違うらしい。
二次通過者全体のリストが配られ
A4用紙に細い明朝体で書かれた
小さな無感情の音楽たち。
私に与えられたのは知らない作品でした。
タイトルも読めないので何語かも分からなかった。
楽譜をもらうと
どうやら数ページの短い現代曲のようで
五線譜は数段あるけど
音符らしいものがほとんどなく
本来、ヘ音記号がある場所に大きい円があり
ホットケーキを焼いている途中に出来る
穴のような黒い丸が４つ
ぷつぷつと並んでいる図形があった。
読み方がさっぱり分からず不安に駆られたので
読めそうな師匠を尋ねようと思った。
どうやら水族館の中にいる魚の楽譜らしい。
実際その水槽の前に立って
この楽譜にある音楽はどういうものなのか
お魚さんたちに体現してもらうことに。
水槽は映画館のスクリーンほどの大きさで
海の模倣もなくプールの底のようで殺風景だ。
シャケなのか深海魚なのか分からない
特にインスタ映えもしない10匹ほどの魚たちが
センターでゆっくりとぐるぐる周り始めたんだけど
私もそれに合わせて指を動かしながら
音を確認していく。
だんだん上昇し
円が大きくなっていったところで
下手からひらひらと布のようなおびれをした
赤黒い大きな魚が上手へと消えて行く。
これは楽譜のどの部分なの？
水槽を見たらいいのか楽譜をみたらいいのか
挙動不審になっていく自分が分かる。
目が覚めた
最近ずっと眠いです。
贅沢ですわ
水族館といえば
サンサーンの動物の謝肉祭よネ
この異世界感は世界共通なのかしら
