主人の実家は義父の代、メロン農家だった。
ハウスのマスクメロンではなく、路地でエリザベスメロンを栽培していた。
画像を探したらあったあった、こんな感じの真っ黄色の皮で果肉が白いメロン。
義父は熱心にメロンを作っていらして、○○大臣賞とかいう賞状を毎年もらうような方だった。
だから甘いこと この上なしで、
主人と親しくなった学生の頃から、
毎週我が家に遊びに通ってくれるたびに大きなカゴいっぱいにエリザベスメロンを持ってきてくれて、
私は夏にはメロン太りをしたものだった。
が、いただくのは上等の出荷できるものではなく、
皮に傷のあるものや小さくてもひび割れしたもので、謂わばB級品だったのだろうけれど
そんなことは関係なく、ただただ美味しくいただいていた。
その中に、時々、お義父さんが「原種が出た」と言われる体のものも。
黄色いメロンのはずなのに、網目が入った緑っぽいものが混じっており、
義父や義母は、
こういうのがマスクメロンのような上品な甘さと却ってこれを珍重して食べ、
私にもそんなことを話してくれたことを思い出す。
「原」。
又「厡」とも書き、「厂:崖」+「泉:いずみ」で、
岩石の間の丸い穴から水が湧く泉のことをいいます。
水源であるので、もと の意を派生します。
他に、広い野原を意味するのは、泉の出る地というところから。
また、生真面目を意味するのは、「頑:丸い頭→融通の利かない」などに当てた仮借字です。
そして先日、こんなメロンを頂戴する機会が。
品種はわからないけれど おすそ分けと言って、ご近所からいただいたものだけど、
主人と私はこのメロンを見るやいなやお義父さんのことを思い出し、
「原種のメロン」と期待した。
そして1週間。
皮も色付き、手で押すと柔らかみが加わった。
そろそろ食べごろ、切るのが楽しみ。
ネットの下の革は黄色っぽくて、放射状に緑の筋が。
さて、どんな果肉が出てくるのやら・・・
と、出てきたのは朱い果肉で、十分に熟れて美味しそう!
食べれば期待以上に甘くて、とろける。
こんな甘いメロンは何年振りだったろう・・・
「さすがお母さん」と、
食べごろを見事的中させた私にお嫁ちゃんたちからお褒めの言葉をもらいつつ、
エリザベスメロンとは全く異なる品種のメロンだったけど そんなことはお構いなしで、
懐かしい昔話なども飛び出して、今日も賑やかな一時となったのだった。





