立派なイチゴが6パック。
八百屋のよっちゃんからのホワイトデーのお返しは、鮮やかな赤が瑞々しい。
あれまぁ、バレンタインデーに特別なプレゼントをしたわけでもないのに・・・
それにしても6パック?
お嫁ちゃんたち二人と娘と孫とおばあちゃんと、そしてついでに私の分ということだ。
何だか知らないけれど、みんなの大好きな真っ赤なイチゴ。
それでなくても賑やかな我が家に、孫も大喜びの一層賑やかな笑い声。
残り野菜を利用した あんかけ焼きそばの我が家の女子会ランチのあと、私は桜堤を駆けた。
まだまだ硬そうな蕾だけれど、花の便りまであと少し。
これから堤を通るたび、次第に温む風受けながら、徐々に膨らむ姿を見られる。
・・・待ちわびた春までもう少し。
中に赤い蕾が。
そうだった、これは杏の木。
桜より一足早く花開き、花色濃く咲く杏の木。
「杏」。
「木」+「口」の会意文字で、口に食べてみて美味しい実のなる木を表します。
あんず。
梅に似た果樹で、実は食用。
種子の中の仁(ニン)は薬用にします。
ああ、この色だ。
杏の赤い蕾の色を使い、娘のために、今夜の私の夜なべ仕事です。





