立 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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母に食事を届ける朝7時、空にはまだ白き残月が。

が、洗濯物を干す時間になると、その姿は薄くか弱く目を凝らさねば見えないほどに。



真っ青な空に吸い込まれていった三日月は、丁度 冬と春の交代の時。

本日の暖かな柔らかな日差しは春そのもの。

春立つ本日の心地よきこと・・・


前々からの心づもりの通りに、お雛様を飾った。

何年ぶりだろう・・・

お雛様の時期が来るたびに、どこか後ろめたさを感じながらも何だかんだと理由を作って飾らず終い。

が、昨年孫が生まれ、しかも女の子だったから、今年は久々に娘のお雛様を飾ろうと思い立った。

春立つ日の思い立ち。



「立」。

「大」と「一」を組み合わせた形の会意文字。

「大」は手足を広げて立つ人を正面から見た形、「一」はその立つところの位置を表します。

よって「立」は一定の位置に立つ人の形で、たつ の意となり、

両手両足を揃えて安定する意を含みます。

その立つ場所を位(くらい)といい、「立」を位につく・のぞむ の意に用います。

又、設立・創立のように、つくる の意にも用います。


何年ぶりかに外の空気に触れたお内裏様や三人官女は、

長い長い眠りから覚めても、以前のままに穏やかなお顔をしてくれていた。

ホッとした。

でも、装束は曲がっていたり、桧扇(ひおうぎ)の飾り紐はぐるぐるしてる。

窮屈な思いをしていたんだろうなぁ、お雛様たち。

残念なことに、後ろ衝立は漆の剥がれている箇所も。

これからあと何回か・・・

娘にこの雛飾りを持たせてやる時まで、毎年 外の空気を吸わせてあげねばならない。


飾り終えて、母に見てもらう。

母の顔がパッと明るくなった。

そうね、私が長男次男と二人男の子を授かって、

やっと生まれた女の子に一番喜んだのは母だったかもしれない。

一緒にお雛飾りを選んでいたときの母の顔が浮かんでくる・・・

あはは、その娘はお転婆になってしまったけどね、誰に似たのかなぁ。


さあ、一段落は、かまくらカスター。

真っ赤な苺を添えて、立春大吉!