
四日市の銘菓の一つに「永餅」がある。
私はこれを、小さな頃から食べてきた。

細長いお餅の中に餡子が入り軽く炙ってあるのだが、
いたずら盛りの我が息子たちは上端を加えて下を口から出し、まるであっかんべーのようにふざけて食べた。
教えもしないのに・・・
私も子供の頃は、そうやってふざけながら食べたものだわ。
食べやすさと その素朴さが、今も昔も変わらず特別な時のお菓子として愛されている。
「永」。
水流が補足支流に分かれて、どこまでも長く伸びるさまを描いた象形文字。
屈曲して細く長く続く意を含み、時間の長く続く意に用いることが多い。
長男の結婚式披露宴のお開き時、お客様に手渡すご挨拶菓子を何にしようと相談していたとき、
お嫁ちゃんのお母さんから「永餅は?」とご提案。
私も即 賛成したのを思い出した。
そうね、末永くと願いを込めて・・・
その時以来の永餅を今年の締めくくりの日にと、とても縁起よく頂いた。
慌てて取り繕った新年準備を、せめてもと飾った水仙の香りが清らかに整えてくれた。
そんな頃、知人は例年通り蛤を届けてくださった。
その手は桑名の焼き蛤。
いえいえ正真正銘パンパンに膨らんだ木箱は、きりりと紐で縛ってある。
この紐を切って蓋を開ける頃には年も明ける。
新年になれば 子供たちもそれぞれが別々の過ごし方、その前にこの蛤もいただこう。
今夜はみんなで、無事の年越しを賑やかに祝う。
今年1年、お付き合い下さった皆ままに 心から感謝申し上げます。
有難うございました。
どうか今後共宜しくお願い申し上げます。
それでは皆様、佳いお年を!!!



