美 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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今朝は雨。

暑くなったり肌寒かったりと このところの不安定な天気や、世界中あちこちでの自然の脅威を

今日の雨はしっとりと鎮めてくれるだろうか。


その雨が降る前に この美しさをと、昨夕 いつもの友が咲き初めた薔薇を何本か。

ご主人の丹精の賜物を、惜しげなくお裾分けくださる気持ちが有難い。

そう、この美しさは、見目(みめ)のみの美しさでなく、優しい気持ちの表れなのだと、

花瓶に活ける準備のために刺を落としながら思っていた。


「美」。

羊の全形を表す象形文字。

「羊」は羊の上半身を前から見た形ですが、後ろ足まで加えて見た形が「美」です。

つまり下部の「大」は牝羊の腰の形で、成熟した羊の美しさを「美」といい、

後 すべて うつくしい の意に用い、そこから よい・ほめる 意にも用います。

うつくしい・見目よい・物事が良い感じである等の意。

また、「羊」+「我:鋸の形」の「義」は、生贄となる羊に欠陥がなく完全で美しいものであることを示し、

生贄は美しく完全であることが求められましたが、その羊が美しいことを示すのが「美」の字です。

他に「善」・「祥」などに「羊」が含まれるのは、

この字を作り上げる過程である 周の時代の人が 羊を最も大切な家畜として捉えていたためであると思われます。


美しさとは、決して姿形を指すだけでなく その奥の方から湧きいでるものによる。

それまでの生き様や、

そこから得たものを活かしてのこれからに対する視線や、

一つ一つの物事に対する眼差しや、

そして今を大切にする気持ち。

綺麗事ばかりではすまない日常も、腹の中にある想いも、それらもあってこその美しさ・・・

数本の薔薇を見つめながら、そんな事を考える土曜の朝だ。


・・・今日は誕生日。

おめでとう、これからもよろしくね。