炸(サク・はじける) | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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正式な呼び方は何と言うのだろう、ポン菓子かな?

私はこれを小さなころから「パッカン」と呼んでいた。

そう、昔、パッカンのおじさんがリヤカーにパッカン製造機を載せてやってくると、

みんながお米と砂糖を持って走って行き、

ドキドキしながらおじさんの作るところを見つめていると、

そのうち パッカーン!!と それはそれは大きな音がしたら出来上がり、

機械の中から出てきた米の爆ぜたのに飴を絡めて四角に切って、

一斗缶に入れて湿気らないように大切に食べた、あれ。





今では袋詰めにされて売っているけれど、ウチの近所では今もこれをパッカンと呼び、

空気の乾燥してきた秋ごろからよく見かけるようになる。

この素朴な味が今も大好きで、先日「一粒万倍日」という言葉を知ったが、

その時私はすぐにこれを思い浮かべ、

これぞまさしく「一粒万倍菓子」だと無性にパッカンが食べたくなった。

米がはじけて膨らんで、パッカーン!の音は勢い炸裂!!



「炸」。

「乍」は さっと物が割れたり さっと切れ目が入ったりするさま。

「炸」は、「火」+「乍」で、火力によってさっとはじけること。

本日のタイトル書は「火」を同じ意味の「灬」に変えて。


そういえば子供のころ、

パッカンのおじさんの他にも飴屋のおじさんも自転車で回ってきた。

1個10円だったかなぁ、柔らかな飴を細工して、あっという間に動物を作ってくれた。

少し大きくなるとロバのパン屋さんも音楽を鳴らしながら軽トラで回ってきて、

私はピンクのジャムパンが好きだった。

今思うと素朴な蒸しパンの中にいちごジャムが入っていただけなのだけど、

その頃は特別のおやつで、とっても楽しみだったわ。

今でも近所でロバのパン屋さんの音楽を聴くことがあるから、これは絶対に買ってみたいな。

豆腐屋さんも ト~フ~ とラッパを鳴らしながら朝夕回って来たし、

アサリ~、シジミ~、と貝屋さんも桶を載せた自転車で売りに来たし、

そうそう、麹味噌屋さんの掛け声も覚えてる。

結構色んなものを売りに来たね・・・


以上、パッカンを食べながら思い出話も炸裂の秋の一日。