壮 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
よろしかったら、画像をクリック、拡大して、筆勢などをご覧下さい。




雨も止んで、蒸し暑さの中 祭りが始まった。

鯨船祭り。




暴れる鯨を後ろから船が追いかけて見事モリで仕留めたら拍手喝采。

竹を芯に、張りぼての鯨はかなりの重量。

それを力自慢の若者ばかり 選りすぐりが鯨をかぶり、右に左に練りながら逃げる。

勢い余って軒先に突っ込んだり、モリで突かれそうになると逃げ走る。

逃げる姿も美しさを競い、

鯨をずるずる引っ張るのでなく持ち上げて走ったり、途中回ったりして観客を魅せる。

鯨を追いかける船の上では着飾った少年が踊り、その船を曳いて鯨を追いかける男衆。

どの顔にも汗が光り、袢纏も汗で濡れる。

そんな勇壮な練(ねり)の祭りだ。


「壮」。

旧体は「壯」で「爿」+「士」。

「爿」は 寝台にする長い板を縦に描いた象形文字で、長い意を含みます。

そこに「士:男」を加えた「
壯」は、堂々とした背丈の高い男のこと。

また、堂々と体格の伸びた意から勇ましい意を派生します。





丁度我が家の前に提灯台が建てられており、その前で鯨を仕留めた後の休憩風景。





今年新たに誂えた半纏には龍の目が光る。

近所の方たちばかりだが、みな一様に普段の顔とは異なる表情。

私は久しぶりに合わせる顔々に、挨拶のお辞儀が止まることはない。


夜になって灯りが灯った。




明日は宮練り、見せ場も多い。

また1日、怪我もなく上手く運びますように。