葵 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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時々通るその道では、

梅雨の晴れ間の強い陽射しを一身に受け、本日は立葵の花がそれは美しかった。

いつもは車の窓から眺めるだけだったけれど、

丁度車の列が切れ、路肩に寄せた車から思い切ってカメラを持って降りてみた。

真っ直ぐに空に向かって咲く紅い花。

私はしゃがみ、立葵の花と一緒に天を仰いだ。

雲を目指し真っ直ぐに、天に向かって真っすぐに。

ああ、その姿が眩しい・・・


「葵」。

「艸:植物」+「癸」。

「癸」は刃が三方または四方に張り出ていて どちらでも突ける ほこ を描いた象形文字で、

回転させる意を含みます。

十干(じっかん:甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)が一巡して基に戻ろうとするその最後の位。

よって「葵」で、四方に向けて花開く植物、また あおい。


用を済ませ帰宅すると、食卓に枇杷が。



甘い・・・

ここのお宅の枇杷は小さな実だけれど、毎年美味しくって瑞々しい。

皮を剥く腕に汁が垂れる。

皮に包まれていた実は更に色鮮やかに橙に輝き、

鮮やかな瑞々しさが、私の心を奮い立たせてくれるような気がした。

強い色が目に飛び込む本日。

それはきっと自分が強さを求めているからだろうと一人思いながら、

口の中で 小さな枇杷の実の中の 大きな種を選り分けた。