珠 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
よろしかったら、画像をクリック、拡大して、筆勢などをご覧下さい。




先日テレビで認知症にアロマが良いと報じられたらしい。

録画を見て さらにネットで調べたら、出てくる出てくる、情報がわんさか。

昼用にはローズマリーを2滴とレモンを1滴、夜用にはラベンダー2滴とオレンジ1滴。

最近ちょっと物忘れが激しく、ややその気配が感じられる母のためにと、

私もちょっと試してみようと考えた。

私はアロマについては全くの無知。

幸い詳しい友人がいるから相談すると、きちんと調合してくれた。

  


ここで本日のタイトルにもなった珠、これが優れものなのである。


「珠」。

「朱」に 丸いもの、また朱色のものの意。

『説文解字』には真珠の意とありますが、元は玉(ぎょく)の類を言うと思われます。

「王=玉」+「朱」で、珠玉の意。

美しいもの例えに使うこともあります。


友がアロマオイルと一種に用意してくれたのは、素焼きの小さな玉。

    


なんの変哲もない、直径2センチ弱のコロンと丸い玉。

素焼きなので、これにアロマオイルを1点垂らすと、すぐに吸い込んで雫のあとはすぐに消える。

オイルは中に吸い込まれ、じわりじわりと芳香を発たせ、1日中香り続ける。

この玉こそが、焼成温度や時間を何度も何度も試行錯誤して作られた特別の玉なのだそうだ。

部屋に置いておくために この玉の台にするおしゃれな陶板もあったのだが、

私は昼間用には 家にある うさぎさんに頂いた小さな木の葉の器と、

夜用には夜の帳を思わせる ぐい呑を使うことに。

起きてからと寝る前にアロマオイルをを1滴、

心地よい香りに包まれて、母の精神も落ち着きますように・・・


さて、ここで疑問が1つ。

部屋にいるときはこれでいいのだけれど、外に出るときは?

情報ではペンダントに入れる法があったのだけど、生憎この玉を準備いただいたので、

急遽、得意のあり合わせで持ち運びOKの体裁に。

  

てるてる坊主の要領で、バッグに付けることができるようにと。

でもこれは流石に再考の余地あり、

母からももう少しおしゃれにと要請があったから、もう一度考えま~す。

なかなか厳しい母なのです。



そんなこんなを考えていたら、お嫁ちゃんから電話をもらった。

「今日お花見に行こうと思うんやけど、おばあちゃんを連れて行ってもええ?」

何とありがたい。

こちらに来て数日、まだこの辺りの土地勘がないから少し回ろうというので、

それなら おばあちゃんも一緒にと声をかけてくれたのだ。

母は喜んで、張り切って、シルバーカーを押して一緒に歩いて出かけた。

途中、少しだけ私も合流して母とお嫁ちゃんをパチリ。       

                


先日、私が母の事について書いたとき、

カラオケなど歌を歌ったり、おしゃべりがいいですよ、ってアドバイスをくださった方もありました。

お嫁ちゃんも、尾鷲では介護の関係の仕事をしていたので、自然に母に寄り添ってくれます。

近所の方にも母のところに遊びに来てもらったり、何やかやと心配りしていただき、

娘として、心から感謝しています。

少しずつ老いていくのは自然の法則なのだけど、できる限り今のままで。

そんな願いを持ちつつも、

みんなに気遣ってもらって 母は幸せ者だと、母の持っているものは やっぱり「珠」なのだと羨んだり・・・