剥(ハク・むく) | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
よろしかったら、画像をクリック、拡大して、筆勢などをご覧下さい。




柑橘好きの私。

お嫁ちゃんも柑橘好きだから、私は仲間ができたと心強く嬉しい。

  


甘~い せとか は食べだしたら止まらない。

これは自分で皮を剥いてね。

可愛いお嫁ちゃんにと八百屋のよっちゃんがプレゼントしてくれた文旦(ぶんたん)の味も爽やかで良い。




が、これはちょっと皮が剥きにくい。

だから ここはひとつ、我が母に皮剥きをお願いしようと、ネットで剥き方を検索

それは綺麗に上手に剥いているから、早速母にその動画を見せた。

そしてその通りに向いてくれたのが、これ。




皮を器に仕立てて綺麗に盛り付け、ご苦労様。

これなら あっという間にいただけそうね。

根気よく柑橘の皮を剥いてくれる母に、家族はみんな感謝です!


「剥」。

「彔」は、物の表面がボロボロとはげ落ちるさま、または表皮をはぎ取るさま。

「剥」は「彔」+「刂:刀」で、刀で表面をはぎ取る意を示します。


我が母は、以前からいつも家族のためにと綺麗に夏みかんなどの皮を剥いてくれている。

毎回4,5個の柑橘の皮を剥き、綺麗に鉢に並べて我が家に届けてくれる。

柑橘好きの私の血をひいた娘も息子ももちろん柑橘好きで、

「おばあちゃんの剥いてくれた みかん」は、

酸っぱかろうが甘かろうが、味にも種類にも関係なく我が家の大きなビタミンCの補給源である。

孫の美味しそうに食べる顔が見たくって、母がせっせと皮剥きに励んでくれるのが有り難く、

私はいつも柑橘は箱買いするし、また頂き物も多い。

が先日のこと、昨夜のうちに剥いておいたからと、朝に鉢一杯の甘夏を届けてくれた。

午前中にテレビを見ながら剥いたと、お昼に又鉢に一杯。

夕方また、ご飯の後で食べるようにと又一杯。

・・・自分が皮剥きをしたことを忘れて、又剥いてしまうらしい。

流石の柑橘好き家族も、1日で毎回4,5個の甘夏3杯は食べられない。

近所に協力要請、食べて頂けますかと持っていくと、みんな喜んで貰ってくれるから、

その顔が嬉しくて、母は又皮剥きに励む。


最近、ちょっと波があるのだけれど、母は確実に物忘れが多くなった。

一時はくよくよしているばかりだったが、

それは今は治まって、只アッケラカンと物を忘れる。

今回の柑橘の皮剥きの一件、私は前向きな物忘れと捉えている。

何か自分のできることを探し、孫の美味しそうに食べる顔を想ってのこと、

無理にしなくてもいいけれど、

剥きたかったらどんどん剥いてとお願いした。



これは八百屋のよっちゃんが協力してくれた柑橘。

キズがあったり半端が出たときの物を、タダ同然で届けて下さる。

そんなに剥いて指が痛くないのかと心配になるけれど、大丈夫と母は言う。

だったら好きな時に好きなだけどうぞ。

酸っぱかったら蜂蜜かけて召し上がれ。

今年、我が家のご近所はビタミンCたっぷりでお肌ツルツルね。


力も必要、手先の仕事、部屋の中でできる、・・・良い方へ良い方へ。

確実に迫ってきている老いだから、

できる限り明るく捉えながら現実を見つめるつもりである。