渋 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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虫の音、月の光、さらりとした風・・・

昼間の暑さは残っていても 確実に もう秋。

まだ早いと思っていても そろそろと柿も色づき、否が応にも食欲の秋はやって来ている。

初物と頂いた柿はまだ小粒。

が、彼岸に入った本日の丁度お供えになった。

仏壇の中で艶々と 柿が秋本番の彩りを添えている。


お初の柿はまだ少し青味を残しているようだけど、残った中から一番色づいたものを切ってみた。

ゴマはいっぱい入っているけど、ゴリゴリとまだ固い。

やっぱり・・・、まだちょっと渋みが残ってる。




「渋」。

元の字は「歰」で、「刅」×2+「止」×2で 
両足が前後相向かい合う形を表す会意文字です。

「止」は足跡の形で 足の意味で、「刅」は「止」を逆さまにした形。

よって「歰」は、揃えた足が向かい合って前に進むことができないので渋滞の意となります。

「歮」とも書き、これは「止」を一つ省略した形です。

また、「澁」、「
澀」とも。

これは「氵」なので、水のために進みにくいことを言います。

この簡略された字形が「渋」です。

しぶる の意を物の味の上に移行して、咽喉を通りにくいような しぶい の意煮も用います。

国語では しぶ と読み、柿の渋のように言います。


我が家の男性は二日酔い防止にと、秋から冬場は柿を常備する。

渋みの元のタンニンが良いらしい。

ほろ酔いは百薬の長ともなるが、泥のようになっては困りもの。

そんな時には飛び切り渋い柿を剥いてあげようかしら。

渋い柿ほど色鮮やかに艶々と朱いから、ご用心!

ほどほどに なさいませ~


それはそれは美しかった、昨夜の望月。

昨夕摘んだ可愛い花のように真ん丸のお月様は、冴えた光でじっと輝いていた。

今夜は十六夜。