闊(かつ) | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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好天。

この上ない好天に恵まれ、次男たちとの尾鷲での休日は想像以上に楽しかった。

きっと、どこを案内しようかと、若い夫婦は計画を練っていたに違いない。

昼食の後は、わざわざ遠回りして私たちを楽しませてくれた。
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目の前に海が広がり、すぐ後ろには山が控え、

その間を川が流れる。

その川にゴロゴロ転がる岩は逞しく、

人の住む場所よりも自然が優先している地形は、

この上なく雄大で、私たちを丸ごと抱えてくれるような雰囲気だった。


「闊」。

「活」は水流が豊かで盛んなさまを表し、ゆとりがあって つかえない意を含みます。

「闊」は「門」+「活」で、門が広くて通りやすい意。

そこから、広々としている・人の度量が大きい・はるか などの意。


旧道から見下ろす川の水は、清く澄んで、あまりにも美しい色。

道の反対側はすぐに岩山が切り立つ。
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その山へと登っていく道は、

特別に名づけられたものでなくても「古道」の色が濃く、

石で作られた階段は苔むし、なかなかに味わいある。

こんなにお天気が良くても尾鷲檜に陽が遮られ、

シダの生い茂る地道はしっとりとしている。

全員が思わず知らず深呼吸してしまい、

顔を見合わせ笑ってしまった。

少し歩くと小さな滝があるからと教えてもらった道すがら

こんなかわいいシダを見つけた。
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みんな V サインをしているみたい!

きっともう少ししたら葉が大きくなって開いてしまうのだろうけれど、

申し合わせたように V サインで迎えてくれたシダたちに

ついつい声をかけながら歩いてしまった。

この大きな自然の中で我が身の小ささをことさら感じ、でもそれが気持ち良く、

山歩きの疲れは、負け惜しみでなく 心地よかった。


さて、宿泊は昨年と同じ民宿で。

その宿で一波乱。

そこでの宿泊は我々夫婦と長男と娘の4人。

事前に部屋数はどうしますかとたずねられてはいたのだが、手配したのは次男だったので任せると言ってあった。

気を聞かせてくれたのかどうなのか、準備してあったのは2部屋だった。

どういう組み合わせで二組に分かれるか・・・

そんなことでもめるかっていう話なのだが、そこでもめるのが我が家である。

私たち夫婦が一部屋取ると、残りの部屋には長男と娘。

別に兄妹だし、それでもいいじゃないかと思いもするが、娘が断固拒否!

まあそりゃあ、仕方もあるまい。

娘は自分が一人で寝て あとの3人が一部屋で寝ろと、逆襲する。

それだったらと、長男も自分が一人になることを希望する。

えーーーっ、それだったら こんな時こそ私が一人でゆっくり眠りたい。

もめてもめて なかなか決まらず、

とどのつまりは、女一部屋、男一部屋で落着したのだけれど、いい大人がこんなことでもめるのか・・・

いっそのこと広い部屋 一部屋にしてもらった方が良かったかしら?

何処へ行っても、どんな時も、スムーズに事が進むことは少ない我が家の 久しぶりの家族一緒の旅行だった。


朝、みんながまだ寝ている間に部屋から抜け出して見た尾鷲漁港の朝日。

小さな漁船は暗いうちから操業し、そろそろ帰港してきた時分。

少し肌寒いくらいの風をうけて、潮の香りと波の音を満喫した朝。


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