
「花盗人」。
花、特に桜の花の枝を手折って持っていく人のことで、花泥棒のこと。
春の季語としても用いられます。
由来は狂言「花盗人」とのこと。
桜の枝を折って捕まった僧が桜の木に縛り付けられたまま
「この春は花のもとにて縄つきぬ烏帽子桜と人や見るらん」という歌を詠み、
その歌に感動した花見の衆が、罪を許して花見の宴に加えたことから、
花盗人は罪にはならないと言われるようになったといわれます。
桜の花に限らず他の花においても、又もっと別の品物であっても、
もっともっと深い意味では恋愛のことを込めた語句とも言われるそうですが、
なかなかに味わいのある言葉で、
花を盗むことの是非はともかく、春の宵には思い出される言葉です。
我が家は細い路地の角に建った家なので、
家の周りに鉢やプランターを置いて、季節の草花をささやかな楽しみとして育てています。
今までにも、花盗人の被害には何度か逢いました。
小さな鉢ごと持っていかれてしまったこともありますが、
いっそそれなら、どこか別の所で綺麗に花を咲かせているかもしれないと、諦めもつくというもの。
刃物でスパッと茎を切られ、落ちた蕾を片付けたことも何度かあります。
そんな時は悔しくて・・・
物言わぬ草花にしか自分の想いを吐き出すことのできない人がこの近くに住んでいるのかと思うと
哀しくて仕方なく感じたものです。
が、本日は違いました。
花盗人ならぬ、花置人がいたのです!
「置」。
「目」+「直」。
上部の「目」は「网:あみ」で、「直」は立てるの意。
よって「置」で、網をたてる・かすみ網などをたてかけておくこと。
そこから おく・すえおく・もうける の意に用いるようになりました。
いつから置いてあったのか、昨日朝見たときには気が付かなかったのに、
今朝見たら、見事な君子蘭!!
我が家に元からあった君子蘭は1本立ちで、しかももう花がくたびれかけてきています。
それなのに3本立ちのこの鉢の君子蘭は、もうすぐオレンジの花が開く直前の 見事なもの。
葉も生き生きと元気いっぱい。
・・・犯人は、きっとあの方。
先日、我が家の芍薬の蕾がちっとも大きくならないのは、水を遣りすぎではないかとアドバイしてくれた方。
確かあの方はマカロニサラダがお好きだと、

いつか伺った覚えがあるから、
お土産持って 花置人さんに これからご挨拶に。
本日朝の、ちょっと嬉しいハプニング。
