燻(くん) | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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「燻」。

「屮:芽が出るように少し出ること」+ 煤(すす)のたまった窓 +「灬:炎」で、

火を燃やして煙をくすべ、窓の中にこもらせることを示します。

いぶすこと。

他に「薫」とも書きます。


土地には土地の、美味しいものがある。

本来は売り物にはならない小魚を桜のチップでいぶし、

海の幸を大切に味わったという三重は尾鷲の梶賀(かじか)地区のあぶり。

同じ県内と言えども所変われば食べ方も変わり、この四日市では聞いたことがない。

美味しいと聞いては黙っておれず、お土産に頂いた「梶賀のあぶり」を早速お味見。


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小魚を串に刺していぶすのが本来と聞いているから、きっとこれは上等のもの。

大きな鯖を開いて燻製にしてある。

真空パックから出して少し温め、身をほぐし、恐る恐る食べてみる。

1匹の炙った鯖を囲み、主人と長男と私の3人が、箸でつついてあっという間に無くなった。

・・・もちろん、とっても美味しかった!

尾鷲の名物と言えば、鰹のなまり節。

これもいぶした香りが何とも言えない。

ところがこの 梶賀のあぶり、味が濃くて もしかしたら我が家にはこっちの方が好みに合うかもしれない。

最近は 町興しも兼ねて、土地の独特の食べ方を紹介する所は多い。

あちらこちらに知人が増えて、未知の食に出会える愉しみ。

居ながらにしてあちこちの美味しいもの、変わったものに出会える幸せは、

好奇心旺盛な私にとっては有り難い限り。

・・・でも本当は実際にその土地で食べたら、もっともっと美味しいのだろうなぁ。

さすらいの食いしん坊になりたくって仕方ない 食いしん坊がここに一人・・・