
たくさんできたからと 茄子と胡瓜が届く。

庭の畑で育てた野菜を時々くださる有り難い友。
本日は それに加えて、ちょうど見ごろと、
畑の横に咲いた花まで届けて下さった。
太いが柔らかくて瑞々しい茎からいくつもの白い花。
浜木綿(はまゆう)。
ずっと昔、伊勢志摩の浜辺に群れて咲いていたのを思い出す。
背筋を伸ばして潮風を受け、
でもその花はうつむき加減に咲いており、
細い花弁のたくさんの白い花が夕日を浴びて群がっていた姿が印象的だった。
確かあれは、宿泊先での夕食前の散歩中に見かけたのだった。
もう何年前になるのだろう。
そしてその横に添えられた花菖蒲。
蕾はきりりと、でも柔らかくだらりと広がった花びらは艶(なま)めかしい。
白と藍の、美しいコントラスト。
「浜」。
旧体は「濱」、「濵」。
「賓」は、もと「宀:屋根」+「豕:豚」を合わせた会意文字で、狭い小屋ぎりぎりにぶたを囲った様を表します。
後に「貝:ぴたりと合わさる2枚貝」の字を添え、間を残さず すれすれに接する意を補い、
主人のすぐそばにすれすれに寄り添う客の意となりました。
そこに「氵:水」を加えた「濱」は、水が陸にすれすれに接する水際の意。
浜木綿と花菖蒲。
・・・見覚えのある組み合わせ。
そう思って探してみると、あったあった!

たった1枚残っていた浜木綿の切手とその横に描かれた花菖蒲。
平成8年に発売、シートで買って毎年夏だけに使っていた。
あーよかった、最後の1枚が残っていた。
浜木綿の絵と、もう1種は海女さんの絵だったはずだ。
探したらありました、「こちら」をご覧に下さい!
三重の香りを再認識した本日の朝。
季節の花が届けてくれたのは 香りだけではなく、懐かしい思い出と美しい景色。