越 | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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旧国名の「越の国」。

雪の深いこの国の産物はみな美味しく、

その雪深さゆえに生まれた伝統や風習は、今も受け継がれている。


「越」。

「戉」は くびれた形をした鉞(まさかり)を描いた象形文字で、ぐっと引っ掛ける意を含みます。

「越」は「走:歩く」+「戉」で、体をかがめてグッと足を引っ掛け乗り越えること。

「蹶(ケツ):身体をかがめてぐっと立つ」と非常に縁の近い文字です。

国字としては、古志(こし)の国、つまり越前・越中・越後地方をさします。

ヤマトの国から見て、山を越えて辿り着く国という意味か。


昨日いただいた越前加賀の野菜に続いて本日は、
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越後出身の 親しくお付き合いいただいている寿司屋の女将さん作

棒葉(ほうば)寿司と笹餅。

この時期、昔 田植えや草取りの田んぼ仕事に

いつも持って行ったのを思い出して作ってくださった。

大きな棒葉にくるんだお寿司は焼き鮭のほぐし身と自家製きゃら蕗の佃煮入り。

笹餅は山で採った蓬(よもぎ)の香りが漂い、新潟産の小豆で作ったアンコガ優しい味。

山菜取りが趣味というだけあって、

休みの日に取りに行った食材で天婦羅も佃煮も、そしてお菓子までもいろいろ作ってお裾分けくださる。

山菜取りの翌日は、その下処理に おなごしさんも総出で励んでみえるらしいから、

頂くのは簡単だけど、感謝も一入(ひとしお)存分に味わわせていただくようにしている。

美味しく食べるその裏で手間をかけ時間をかけた懐かしい味は、

食材の持つ味と作った方の温か味が絡み合い、

葉っぱにくっついたご飯の一粒まで丁寧に拾って食べたくなってしまう味。

今回は他にも、深い色に仕上がった山葡萄酒や
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残ったアンコを利用したアイス饅頭までくださった。

ついついお手軽なものばかりを作って食べてしまう身としては、

スローフードを見直して、

これは生活リズムも見直さなくてはと反省することしきり。

ただし、この殊勝な心が長続きしないのが玉に瑕(きず)。

いえ、石ころにさらに瑕でした・・・

この自家製ワイン、せっかくグラスに注いだのだからと

その必然性から飲み干して、

雨の日の午後、今日もちょっとご機嫌です。