厭(エン・いや) | 心から

心から

その日その時に感じたままを、筆に託して表現してみます。
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$心から

今日も朝から息子のためにと せっせせっせと料理に励む。

離れて暮らす息子の食生活が気にかかり、

帰ってくるたび、季節のものや煮物など、手を変え品を変えてのお惣菜づくり。

何種類も作り、それぞれお持ち帰りにと小分けする。

息子の好みに合わせて、どうしても味のしっかりしたものばかりになってしまった。

あれこれ味見をしていると、どれがどうだかわからなくなってしまう・・・

おかげでもう、食べてもいないのにお腹満杯、胸焼け状態。


「厭」。

「口」+「月」の部分は「熊」の字の一部。

それに「犬」を合わせて、動物のしつこい脂肪の多い肉を示します。

しつこい肉は食べ飽きて嫌になることから、

「厂:上からかぶさる崖や重石の石」を合わせて、

食べ飽きて上から押さえられた重圧を感じることを表します。

そこから、もうたくさんだの意が。


牛乳たっぷりの春野菜のシチュー、ホタルイカは甘辛煮に、ほうれん草はお浸し、

玉ねぎシイタケたっぷり入れた肉みそは今回はカレー味、

小女子のくぎ煮ももう一度火を入れなおし、

特大フランクフルトは茹でておくから後は温めて。

キャベツも千切りにしてあるからちゃんと添えてね。

食卓を覗き込んだ主人は、何日分のおかずだ、とチャチャを入れる。

夏みかんも剥いておいたから、食後にどうぞ。

他にも食材いっぱい詰め込んだ箱を載せた車が、先ほど帰って行った。

見送ってホッとするや否や、思わずゲップ。

台所にはいろんな匂いが重なり合って、

・・・今日はもう、私は夕食は要らない・・・